序章「五」勇者ナハト
テンプレハーレムがしたい勇者登場(できるとは言ってない
「アタシはイザヤ、双剣士のヤヨイ•イザヤだ」
「わたしは〜〜重戦士のエルゥ、だよ〜〜〜エルゥ・ラルゥ……大地人とぉ、草人の〜〜ハーフぅ、なの〜?」
簡潔に、冷たいくらいの態度で名前だけ告げる双剣士だと言うショートカットの女の子はヤヨイ、やたらゆっくり喋る背の低い子がエルゥ……それに、黒髪の魔法使い?がミアか。
──補足、ミア・ハースレイ嬢はヒュームで、大和の血筋でしょう。この地には珍しい黒髪がその証左です、職能は詠唱者系列の魔術師、ないし魔導師と推測。
「……へぇ、大和……」
「ミロクって言ったわね、あまり私に大和がどうとか言わないでくれる?」
……っ、となんか地雷踏んだか?
日本じみた国があるのか、とつい声に出してしまったが。
「あ、ああよくわからないがわかった、気をつけるよミア」
──マスターは女性の扱いが苦手の様ですね
(ほっとけや)
「ミロク、おまえなんでこんなダンジョンの深層に一人で居る、それもそんな軽装で」
ヤヨイが疑う様に聞いてくる、正直言って俺が一番知りたいくらいだけどなんと言ったものか。
「あー、それが目が覚めたらここにいてなぁ……そもそもここがどこかもわからない、記憶が曖昧と言うか何というか」
「ほぇ〜そんなんでよく生きてましたね……ここ、アルカトラズダンジョンの地下15層、結構な危険地帯ですよぉ?」
なんか脱獄不可能な刑務所みたいな名前だなおい。
「エルゥ……こいつの言う事信じるの?」
ヤヨイが至極真っ当な意見を述べた、まあそうだよな怪しすぎるよ俺は。
「……まあいいさ、事故で記憶がぶっ飛んだ遭難者って線もなくはないし。とりあえずは変な真似しなけりゃついてきてもいいが何にも保証はないからな?」
んんー、ヤヨイさんはドライだね。
「ん、まあその辺りが妥当かな……後一人メンバーが居るから後で合流しましょう、そうかからずに戻ってくるはずだから」
ミアから気になる話が出たな、まだメンバーがいるのか、しかしなんで単独で?
「……にしても長えなアイツ、う◯こか?」
うんヤヨイさんや、一人だけ今いない理由がよくわかったけどもう少しオブラートに包めや。
と、不意に通路から気配を感じた。
「……何かいる、モンスター か?」
「いや、待ち人来たりてってやつだ」
カツン!と石畳を硬い靴で歩く音がした。
「ミア、エルゥ、ヤヨイ……今帰ったよ!」
満面の笑みで通路から現れたのはウェーブした金髪をかきあげながら歩く高い身長に白い全身鎧、背には長大な分厚い大剣を背負う青年だった。
「見りゃ解るよ"ゆーしゃさま"」
ヤヨイがいやに含みある感じで語る。
「つれないなあ、君たちは僕が勇者として必ず守ってあげるって言ってるじゃないか」
「間に合ってます」
「いらん」
「あ〜お気持ち〜〜だ〜け〜?」
「全員即答w」
───あれ、空気が重くなった?
「……誰だ、君は?」
ひどく冷たい目、重苦しい圧。
「ジュン・ミロク、迷子だよって言って信じてもらえるかな」
無言で、勇者様とやらが剣を抜いた。
「……ナハト、やめてください彼は害はありませんから!」
ほう、勇者様はナハトと言うのか。
「ミア、何を根拠に。こんな階層で迷子になった?バカも休み休み言いたまえ、魔物が化けたんだろう……油断してはいけないよ、こいつの様な男は我がパーティにはふさわしくない、問題が起こる前に殺しておくべきだ、違うか?」
──後半が本音の様ですね、声音が急に低音に変わりました、殺意増し増しです。
(あー、ハーレムパーティがしたいのかこいつ……まあ確かに三人とも可愛いしわからなくはないけどそれで殺されてやる気は流石にないなあ……と言うかラダー、お前わりと辛辣だよね)
──お褒めいただき恐悦至極。
褒めてねえ。
「……抜け、モヤシ野郎」
大剣の切っ先をこちらに向け、そんな事を宣う"ゆうしゃ"さま。
「え、嫌だが?」
「ナハトッやめてください!」
「だめだミア、君達にまとわりつくクズは排除する……斬ればはっきりするさ」
どうしたものか、勇者と言うからには弱くはないだろうし……試しに見てみるか、鑑定。
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ナハト・シュバルツィア
レベル70
職能:勇者
HP2350/2500
MP255/255
筋力:212
体力:250
器用:120
速力:100(300)
魔力:255
信仰:5
幸運:88
スキル
剣術:B 槍術:C 斧術:D
格闘:B 弓術:D 魔術:C
アビリティ
□ーーーーーー(鑑定レベルが足りません)
◯弱体耐性:C
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こいつはまずいかもしれない……ステータス、差がありすぎるが───
次回、勇者VS彷徨者




