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プロローグ
僕は生年月日に6が3つある。
ある映画のキャラクターになぞらえ、父も母も「悪魔の子」と冗談めいて言っていた。
大人になってからは、僕の最低な行いで「悪魔!」となじられたことが何度かある。
やはり僕は「悪魔」のようだ。
そう、僕は嘘つきの悪魔になってしまった。
嘘をつくことに全く罪悪感を感じない。
真実とは、そんなに偉いものなのか?尊いものなのか?
嘘は、人を傷つけたがいつも僕を守ってくれた。
真実こそ、いつも鋭いナイフのように傷つけるじゃないか。
それなのに、どうして真実ばかり求められるのか。
そして僕は、真実を見失い、
嘘で固めた悪魔として生きている。