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二代目サンタ誕生!しかし12月26日に引退

作者: ヒロモト

小学5年生にもなればサンタなんて信じるわけない。

だけど


『サンタさんはお父さんなんだよね』


なんて言わなきゃよかった。お陰で僕は『二代目サンタ』をやることになった。

ウチは貧乏だ。お父さんの給料日は25日。今年は出費が重なったのでクリスマス当日に弟たちにはプレゼントは変えないので渡せない。おまけにクリスマス当日はお父さんはまだ日も上らない時間から仕事なので僕が弟たちにサンタさんが来なかった理由を説明しなくちゃいけない。

25日の朝。予想通り枕元にプレゼントが無かった弟達は泣いた。


「サンタさん来てないよ!僕はいい子じゃないの!?」


「僕も!サンタさーん!なんで来てくれなかったのー!うわーーん!」


「あ……あのねー。サンタさんへの手紙ねー。お父さんが忘れてて24日の夕方に投函したから今日届いて今読んでるんじゃないかなー?」


「えっ?今読んでるの?」


「じゃあ今日の夜来るのかな~?」


「うん。きっとそうだよー」


……これでなんとか弟達は納得してくれたが、ここからが忙しい。

僕たちにはお母さんはいない。何で今年のクリスマスは土曜なんだ?保育園に行ってくれたら楽なのに。

ご近所のよくしてくれるおばちゃんに弟達の世話をお願いして僕はコンビニに向かった。

首にぶら下げたキッズ携帯がなる。お父さんだ。

カードは預かってる。暗証番号も聞いた。

ふぅ。お給料が振り込まれたのか。

これでプレゼントが買える!僕はプレゼント代の限度額の一万五千円を引き下ろしてデパートに向かう。


「……くぅぅ」


三男の欲しがったDXジャパニーズブレードセットは意外と大きいし重い!予想外なのはラッピングが有料だった事。


「……マジかよー」


次男の欲しがったゲーム『パケットモンスターハンター限定版』は売り切れだ!どうしよう!

……そうか!ウェブマネーだ!一万円分買って……うっ?一万円じゃ足りない?+1500円のカードも買わなきゃ……あーあ。僕のお小遣いから自腹か。長男って辛い。


「お父さんも去年までサンタ役大変だったろうなぁ」





26日の朝。


「サンタさん来てくれた~!」


「お兄ちゃんみてー!」


「よかったなぁ」


三男はプレゼントを見て、次男はゲーム機にゲームを買えるだけのお金がチャージされていて喜んだ。


「お兄ちゃんもよかったね!」


「……う、うん」


僕の枕元にもプレゼントがあった。欲しかった釣りざお。そして


「グァァ……ンゴッ!グゥゥゥ!」


お父さん。夜遅くに帰って来たのかな?すごく疲れてよく寝てる。

んん?僕のパジャマのポケットに封筒が入ってる。

……1500円と手紙だ。


『よお二代目サンタ。ありがとうな。そして今年でお前はリストラだ。初代のサンタから聞いたんだけど出世の目処がたったから来年からまた来れるってさ。つーことで来年からは時間にも余裕が出来るらしい。たくさん遊びに行こうな。その釣りざおを持ってキャンプなんてどうだ?……初代サンタより』


お父さん。下手だなぁ。これじゃあお父さんが書いたのかサンタが書いたのかわからないじゃない。キャラクターがブレブレだよ。


気持ちは嬉しいけど僕は来年もサンタをやるよ。

初代一人じゃどうにも心配なんだ。

キャンプのお誘いはお受けしましょう。

楽しみにしてるよ。お父サンタさん。


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