52話:原子炉事故とビンラディンを殺害
東京電力福島第1原発では電源が止まり原子炉は冷却機能を喪失。核燃料が溶けだし、1~3号機は炉心溶融「メルトダウン」が起きた。1、3、4号機は水素爆発により原子炉建屋が大破し放射性物質が大量に放出される最悪の事態になった。
ある機関の試算では、青森から千葉までの6県の浸水面積は561平方キロ。津波は、すごいエネルギーで家屋や港湾、工場施設などを破壊。政府の試算では、地震・津波による住宅などの直接的被害は16兆9000億円に達する。
ピーク時には約47万人が避難し、国内外から支援の手が差し伸べられた。原発事故に見舞われた福島県では警戒区域「半径20キロ圏」への立ち入りが制限されたほか、各地で除染作業が行われた。
放射性物質に汚染された農産物が関東などでも見つかるなど、農林水産・畜産業も大打撃を被った。政府・東電は「冷温停止状態」を宣言する見通しだが、廃炉までには30年以上かかると見込まれている。
東日本大震災による東京電力福島第1原発事故などの影響で、各地で電力供給不足が深刻化した。東電管内では震災直後、地域ごとに送電を一定時間止める「計画停電」を実施。
電力需要が高まる夏場の7月1日~9月9日には、政府が東電と東北電力の管内で37年ぶりに「使用制限」を発動し、対象企業だけでなく、個人も節電に大わらわとなった。
一方、定期検査で運転を停止した原発の再稼働に地元自治体が同意しないケースが続出。地震・津波の危険性が指摘された中部電力浜岡原発は5月、政府の要請で運転停止に追い込まれた。
全国54基の原発のうち、年末時点で稼働しているのはわずか6基の予定。原発依存度の高い関西電力と九州電力の管内では、供給不足をカバーするため冬場の節電目標を設定した。
東日本大震災や欧米経済の先行き不安などを背景に、円相場が歴史的な高水準で推移し、輸出企業の海外移転による国内産業の空洞化に懸念が強まった。最初の円急騰は3月17日に起こった。
震災前は1ドル82円前後だった円は、投機筋の思惑買いで76円25銭を付け、1995年に記録した戦後最高値「79円75銭」を16年ぶりに更新。翌日に先進7カ国「G7」は、11年ぶりの協調介入に踏み切った。
その後も日米金利差の縮小観測や欧州債務危機を受け、ドルやユーロを避けた投資資金が比較的安全とされる円に向かう流れが継続。10月31日には一時75円32銭を付けた。
政府・日銀は8月に続いて単独で円売り介入を実施。介入額は1日としては最大の7兆7000億円程度と推計されているが、円高基調に大きな変化は出なかった。
米軍は5月1日、パキスタンの首都イスラマバード北方約50キロのアボタバードで、2001年の米同時テロの首謀者とされる国際テロ組織アルカイダの首領ウサマ・ビンラディン容疑者の潜伏先を急襲、同容疑者を殺害した。
オバマ大統領は緊急声明を出し、「米国はやると決めたことは何でも達成する」と10年間続いた米国の対テロ戦争で最大の成果を誇った。一方、アルカイダは6月16日、後継指導者にナンバー2でエジプト人のアイマン・ザワヒリ容疑者を指名。
「ジハード『聖戦』継続」を宣言した。1957年にサウジアラビアで生まれ、イスラム過激派による国際テロの黒幕と呼ばれたビンラディン容疑者に対する急襲作戦は、米特殊部隊が極秘に遂行。パキスタンへの事前通告がなく、両国関係は急速に険悪化した。
イスラム過激派による国際テロの黒幕と呼ばれたビンラディン容疑者に対する急襲作戦は、米特殊部隊が極秘に遂行。パキスタンへの事前通告がなく、両国関係は急速に険悪化した。
タイ東部などで7月下旬、激しい豪雨があり、大洪水が発生した。大量の水は中部アユタヤを冠水させ、首都バンコクに向かって南下。洪水被害は10月に入って拡大し、バンコク北部のドンムアン空港が閉鎖され、都心の市街地も浸水した。
日系企業約450社「10月半ば時点」にも深刻な被害が及び、多数の日系企業が入る主要工業団地が浸水した。トヨタ自動車、日産自動車などは部品が届かないため、工場の操業を停止。ソニーは新型カメラの販売延期に追い込まれた。




