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11話:雨宮家の秘密と中華街で忘年会

 そして、夕食を食べながら、雨宮ほたるが、中軽井沢にある雨宮星二郎邸の主は、家の祖先と聞くと、そうだよとこともなげに言った。そして、旧近衛総理別荘も小さい時、行ったことがあると聞いた。


 えーあるわよと言ったが、あなたが生まれて、祖父が、先祖に報告せねばと言い、まだ、数ケ月の時に、連れて行っただけよと言い、覚えていないでしょうと、今日、行った時、不思議な感じがしたと語った。


 雨宮星二郎と言うと明治初期、アメリカ、ヨーロッパを歴訪し、基幹産業を興し、製粉工場を作り軽井沢を開発。その後、鉄道王、または、投機会の魔王と呼ばれた人ですよねと確認した。


 えーそうよと、淡々と答えた。だから、私たちも働かずに、ここで暮らせるのよと事も無げに言い放った。これを聞いていた3人は、わーすごい、雨宮君は、その雨宮敬二郎の子孫と驚いていた。


 でもね、祖父の雨宮輝雄は、その雨宮敬二郎の看板の重さに耐えかねて、商業に興味を持たず、その頃、長野上田で盛んだった養蚕の勉強をして官営富岡製糸場の技術顧問の後、上田の養蚕学校「現在の信州大学繊維学部」の教授になったと明かした。

 

 これを聞いていた、山里君、栗山さんと木村さんは、思わず、すごいと、うなった。続けて、雨宮ほたるが、父の書斎にあった「紋白蝶の家紋」について聞くと、母の実家の家紋だと言った。


 分厚い占い関係の本はと、聞くと、あれも母の実家に伝わる書物だと言った。そして、本当かどうかは、解らないが、大昔、京都で、陰陽師とかいう占いの仕事をしていたと聞かされてると話した。


 もちろん、これらが、真実かどうかは、知らないし、今、知っても意味がないでしょうと、母が、言った。でも祖父が、ほたるは、母の実家、土門家の血を受け継いでいると語ったと打ち明けた。


 その話を終えると母が、料理を下げて後片付けを始めた。そして、ほたると山里君、栗山さんと木村さんは、ごちそう様でした。明日、失礼しますので、本当に、お世話になりました挨拶して離れに帰っていった。


 離れに入ると、話を聞いて興奮して、寝付けず、途中で買ってきて、離れの冷蔵庫に入れておいたビールを空けて飲み始めた。そして、栗山さんが、

雨宮に、何で、もっと両親の家の調査をしなかったの聞いた。


 これに対し、何となく、触れてはいけない事のように感じ、また、両親、祖父もその話は、全くと言って良いほど、触れなかったので、聞けなかったと打ち明けた。そーよね、確かに、その気持ちわかるわと述べた。


 木村さんも何不自由ない生活を続けられたので、話したくない事をほじくり返す事ないねもねと納得した。確かに、言われてみれば、雨宮の直下の鋭さと記憶力のすごさは、大学でも抜きんでていたものなと山里が語った。


 そして、山里が、その能力を生かして、祖先の雨宮星二郎みたいに、財を作って、世のためになる、大きい事をすることが、先祖に対する恩返しと言うものじゃないかと、諭すように、ほたるに話しかけた。


 それを聞いて、確かにと、雨宮ほたるが、大きくうなずいた。やがて、0時近くなり、床に入って、眠りについた。翌朝、7時に起きて、8時前に本家に行き、朝食をいただいた。


 その後、山里が、ほたるのお父さんに、小さなのし袋を渡した。これは何と行くと、少ないですか、宿と食事代ですと答えると、要らないよと返したので、僕は、雨宮家の様に富裕層では、ありません。


 小さい時から食べる物にも困る生活をしてきました。そこで、食べる物のありがたみ、人の人情のありがたみを嫌と言うほど、感じてまいりました。だから、人に甘える事だけはしたくないときっぱりと言い放った。


これを聞いて、さすがに、這い上がって東京大学を卒業した男だと、褒めた。そして、君にいただいた、このお金を大切にするよと言うと、栗山さんと木村さんも目頭を熱くして、本当にありがとうございましたと頭を下げえた。


 そして、お元気でと言い、雨宮家を後にして、山里が、運転して帰り昼過ぎに東京で、雨宮と栗山さんをおろし山里は、横浜へ帰っていった。1976年、日本の経済成長率が、4.2%と順調な回復ぶりを記録した。

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