2章
2話目です。ここから更新遅くなります。
また……あの夢だ。
ゆっくりと上体を起こし眼鏡をかけ
時計を確認する。
明かりのつかない部屋だが微かに
12時を指す短針が確認できた。
しまった、寝すぎたな。
伸びきった髪の毛を適当に指でとかしながら
立ち上がると
思い出したかのように腹の虫が泣き出した。
夜ご飯…なんか残ってたっけ。
ふらふらとまだ覚束無い足で
暗い部屋の中を手探りでドアノブを探し
戸を開ける。
眩しい太陽の光が目に染みて
ギュッと目を閉じた時だった。
足元で妙な冷たさを感じる。
驚いて確認すると、そこには透明な何かが
滴っており(多分水)
点々と液体は階段の下まで続いていた。
昨日雨なんて降っただろうか…。
それとも……。
嫌な予感がして、恐る恐る階段を降りていく。
後々掃除が面倒なので
脱いだTシャツを使い、液体を拭き取っていく。
ドロドロもしてないし色も着いてない。
やっぱり水だろう。
這いつくばった姿勢のまま
ゆっくりと階段を降りていく。
と、次の瞬間。
まだ拭き終わっていない水の滴った階段に
足を滑らせ、勢いよく1階に落ちていく。
頭から1階の廊下に着地し
キーンっと頭の中で、何やらしてはいけない
音が響いている。
それと同時にガシャンっと
僕の身体の下で何かが割れるような音もした。
前転するような形で1階に到着した僕は、
何だか…動けずにいた。
頭は痛いし、上裸だし、寒いし、
多分眼鏡割れたし、
朝から踏んだり蹴ったりだ。
ただでさえ悪い夢にうなされてるって言うのに……。
はあ、と大きなため息を着く。
すると、それが合図だったかのように
奥の方からぴちゃっぴちゃっと
家の中では到底聞こえないであろう足音が
近ずいてきた。
どうせ、あいつだろう。
この滴っていた水も、僕が滑って階段から
落ちたのも、眼鏡割れたのも全部
こいつのせいだ。
僕は上体だけを起こして音の主の方へ
目線を移す。
ボヤけた視界には、
僕のように長く伸びきってはいるが
きちんと整えられた真っ白な長髪に
片腕だけが異様に細いシルエット。
堂々とこちらに1歩1歩近ずいてくるこいつは…
「おや、人間。こんな所で上裸で
何をしておる。飯にするぞ。」
雷のようによく響く声でノーデンスは
僕を笑った。
「やはり大帝でしたか……。
廊下は水浸しにするなとあれほど。」
「なぁに。気にするな。」
若干噛み合わない会話をしつつ
ノーデンスは僕の手を引き、リビングに
連れてってくれた。
3話目以降まだ書いてないです……。
次出てくる神様はアイホートです。