1章
この作品はクトゥルフ神話のオマージュとなっています。
クトゥルフ神話を知らない方でも
楽しめるように分かりやすく書いていければなと。
勉強不足なので、実際のクトゥルフ神話とは
異なる部分があるかもしれません。
僕は小さい頃から悪夢を見ている。
今もそうだ。
そしてその夢は必ず何者かの怪物に
追いかけられる夢でもある。
冷たい地下の石床の感触が素足に冷たく
広がり、飛び出てしまいそうな
鼓動までもが表現された現実のような長い夢。
今回僕を探している怪物の
ぴちょぴちょとヌルッとした長い何かが
硬い床を統べる音が
耳鳴りのする程静かな
石づくりの神殿に反響する。
そして、僕の近くに着実と近づく
思い出すだけでも
鼓動の早まる磯の生臭い香りが鼻腔を劈く。
冷たい床、何も見えぬ廊下、
不気味な何かを引きずる音、磯の香り。
そのどれもが何重にも重なり自身に
襲いかかってくる。
あぁ、時間的にはそろそろだろう。
僕はこの夢を見慣れている。
だから、そろそろというのは
この音の正体が僕の目の前にその
惨い身体を晒し、生臭い磯の香りを
漂わせながら僕を串刺しにくる
時間のことである。
そして、トドメを刺された時。
僕はやっと、この悪夢から解放されるのだ。
もうすぐ終わるという安心感と
あの辛さを味わいたくないという恐怖感で
僕の鼓動はさらにテンポを早め
喉の奥を締め付ける緊張感に襲われる。
ただの夢ならば僕だってここまで恐れはしない。
昨日、身体を引き裂かれた時の痛み。
あれは夢の中とは思えないほど
現実的で目が覚めたあとも身体が
ヒリヒリと痺れたのだ。
灯りの全くない闇の中にあの化け物の…
クトゥルフの目が、僕を捉えて細くのびた。
やつの吐く息が僕の髪を揺らした時
オーボエのようなくぐもった声が
神殿に響いた。
瞬間、その巨大な鉤爪が僕の腹を突き刺す。
貫かれて普段の何倍も感触に敏感になった
傷口には、やつの粘膜が染みて
息の出来ぬほどの痛覚が僕を襲う。
大丈夫。これは夢だ、夢なんだ。
ただいつもより目が覚めるのが遅すぎる
だけなんだ。
鉤爪から伝うやつの鼓動までも
感じられてしまうような長い時間を経て
まるで、クラシックのfineを告げるような
壮大な重奏が僕の夢に響き、場は暗転した。
こんにちは無名れもです。
初めて小説を投稿したので心臓バックバクです。
誤字あったらすみません。