6/13
記憶なき記憶 No.1
「あなたは実験台として動いてもらいます」
白衣を羽織り、メガネをかけたすこし若そうな男がそう告げた。
「実験台として…ですか?」
聞き返す。
「はい。あなたは逃げてもらいます。マモノから」
メガネの男は感情も変えず何気なく告げる
「マモノ…ですか?それはなんの実験で?」
疑問をぶつける
「それは言えません。秘密事項です。」
メガネの男は淡々と、言えないと告げる
「そうですか。わかりました。危険なのでしょうか。いえ、危険でも私には選択肢は残っていません。実験に参加します。」
決心した。
「では、コレを打たせてもらいますので、そこに仰向けで横になられてください」
メガネの男は後ろの棚から注射器を取り出し見せ、余った手で部屋の隅にあるベッドの方を指差した。
そして、メガネの男は首に注射器の針を当てると。
ブスッ!
注射器を打った。
「では、頑張ってください。」
閑話みたいな感じです