廃れた街での別れ
「あっ…あっ…」
女の子は顔を真っ青にして、ただ呆然と怪物を見ていた。
くそったれ!
男は心でそう呟くと、
「おい!逃げるぞ急げ!」
と、言って女の子の手を掴んで走り出した。
「は、はい!」
コンビニの裏口はあるはず!そこから、逃げよう。
「裏口から出るぞ!」
あった!裏口!
男は怪物の障害になるように、周りにあるものを倒しながら裏口の方へ駆け込んだ。裏口を開け、外へ走り出した。
しかし、怪物は恐るべき力で障害をもろともせず、突っ込んできた。
「きゃあ!」
男はとっさに女の子を横に突き飛ばした。その後、マモノに背中から突っ込まれ、押し倒された。
女の子は突き飛ばされた勢いで尻もちをついてしまった。立とうと思っても、恐怖で足がすくみ立つことができない。
自分の目の前で、人が怪物に襲われている。このまま、見捨てていいのかだろうか。私が見捨てたら私は見殺しにしてしまうのではないか。助けなくていいのだろうか。と色々考えているうちに涙がいつの間にか出てきてしまった。
男は有り得ない力で後ろから突っ込まれたせいか、背骨が折れてしまった。
「ぐぁぁ!」と、痛みに喘ぐ。
しかし、男は痛みに耐えながら恐怖で固まっている女の子に、
「早く逃げろぉ!俺のことはいいから早く!」
男は女の子に逃げるように叫んだ。
女の子は震えながら、泣きながら立ち、今有る気力を振り絞り、全速力で走り出した。
一方、男は諦めていた。また、喰われてしまうことに対する抵抗を
あぁ、またかよ。また喰われちまうのか。あの赤毛の女の子だいじょぶかな…。
抵抗もできない。というか、しても無駄。前回でそれがわかっているから男は抵抗することはしなかった。しかし、
おい!次も生き返れらせてくれよぉ!神様かなんかわかんないけどよぉ!絶対だぞ!もし、生き返れなかったらぶっとばすからなぁ!
男は見えない誰かわからない存在に対して心でそう叫んだのだった。そして、そこで男の意識は途切れた。
そして…
男は喰われてしまった・・・
ーーーーーーーんあっ!
見飽きた白い部屋。
よかった、生き返ることができた。これで、あの女の子を探しに行ける。
てか、女の子は!?どうなったんだろうか…心配だな。まさか、あの怪物に食べられたんじゃ!
とにかく探しに行くか。考えるより行動だ!
男はベッドを降り、ドアまで歩き、ドアを開けた。
夜。
やっぱり、俺が生き返るまでには結構時間がかかるんだな。具体的な時間はわからないが。
とにかく、探しに行かなければ。
男は白い部屋を飛び出した。
いや、やっぱり殺そう。それしかねぇ!と思ったので犠牲として殺しました。その方がいいかなと自分的に。とゆことで5話でした。また読んでくださると嬉しい限りです。