昼だった
え、え?なんでだよ!そんな…そんな予兆、ひとつもなかったぞ!追いかけてきてる音もなかったし!おいおい!またかよ!
男がそんなことを考えてるうちにマモノは、動く準備をしていた。膝を深く沈めていた。
と、とりあえず逃げなければ!く、喰われちまう!もう嫌なんだよぉ!
男は縺れそうになる足を前に動かして逃げ出そうとすると同時に、マモノは雄叫びをあげ、ドゴッ!と地面を蹴り、猛スピードで走りだした。
くそぉぉ!動けよ足!とにかく動けよ!
男は既に無数の涙を流し、鼻水を垂らしながら死に物狂いで走っていた。彼の足は悲鳴をあげ、心拍は上がりに上がっていた。しかし、彼は走る。が、マモノは着々と距離を縮めてきて…もうすぐそこまで…あぁ、捕まってしまった。マモノは背後から男に飛びつき、地面に押さえつけた。
男は押さえつけられるなか、最後の抵抗をしようと藻掻いていた。
なんで…なんでこうなるんだよ!また、喰われんのかよ!まだ!まだだぁぁぁ!
バギッ!
「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
しかし、マモノの前ではあまりにも小さすぎる抵抗。男はマモノに両腕の骨を粉々に砕かれてしまった。
あまりの痛みに大声をあげ、男はショックで失神してしまった。遠のく意識の中でかすかに見えたのは自分が白衣を羽織った医師らしき人物と話しているところ。
そして、男は喰われてしまった・・・
ーーーーーーーんあっ!
飛び起きたのは白い部屋。
また…かよ!またかよぉ!また、喰われちまった!逃げれないのか…あんな怪物からは…くそぉ!
「おい!誰か見てんだろ!?俺が何したってだよ!おい!おぉぉい!」
男の怒声は虚しく白い部屋に響き、誰にも吸収されることなく消えていった。男の怒りの矛先は男自身にもわかっていなかった。
くそっ…と呟きながら、ポスンと毛布を叩く。
どうすれば…いいんだよ。どうすれば。喰われないように…街に行けば助けてくれるかもしれない…なぁ…
男が色々考えていると、
『ハヤク、シュッパツシテクダサイ。ハヤク、シュッパツシテクダサイ。』
と機械音声が発せられた。
煩いな…行けば…行けばいいんだろ?
男はベッドから降りて、白いドアまで歩き、ドアノブに手をかけた。回し、押し開くと、
眩しっ!?
男はとっさに目を細め、光を手で遮った。
太陽が出ていた。昼だったのだ。
白い部屋はそれほど暗くなかったが、太陽の光とは違うので男からしたら結構眩しいものであった。
昼?さっきは夜だったのに…もしかして、俺が食われてから生き返るまで結構な時間がかかるのか?
そんなことを疑問に思うが、考えても特に今の状況を解決することができないので、そんな疑問はすぐに消えていった。
しかし、昼はラッキーだな。ああの怪物がどこからくるか遠目からでも見やすい。とにかく、急いで移動するなら今しかないな。
男は、また歩き出した。
いや、難しいもんですね。一回、書いてたのがポンっと消えたので、腹立ちました。自分に。えぇ。ま、とゆうことで3話でした。次も読んでくださると嬉しい限りです