OSSAN-酒に恋するお年頃
私はおっさん酒に恋するお年頃
今恋しているのは肉食男子ロンドン生まれのドライジン
同じ島ならスコッチもあの快速船名前はなんて言ったかしら
もう一度乗ってみたいのよ
アメリカのコーン男子は好みじゃないわダニエル坊やは例外だけど
日本男子なら芋臭いのがいいわねちょっとコスパが悪いけど
甲類まではおちたくないわ理想は高くありたいの
……本当は酔えれば何でもいいんだけれど
でも炭酸水があればどんなウイスキーだって飲んでみせるわそう私は酒に奔放な男なの
もっともっと浴びせかけて!
もっともっとちょうだいよ!
足りない足りない足りないわ
心が心が乾いているの!
けれどもみんな昔の話いまはほとんど飲めないの
それを思うと絶望よ夢から覚めたみたいじゃない
……
目を開けると詩神達は去り
あとには孤独なおっさんがパソコンの前に一人
頭を振ると酒神の笑い声
飲んでないのに不思議なことだ
うすぼんやりとした頭で思うことは
できることなら男神よりも
女神達のほうがいいなぁ、と
はてさて一体この詩は
どちらの神のいたずらか
蒸留酒ばっかりで申し訳ない
甘いお酒はコップ洗うのめんどうなもので
あと貧相な酒歴で申し訳ない




