PROLOGUE
この小説には、連載を通して性的表現(同性愛含む)・グロ表現・鬱展開・キャラクターの死等を含みます
これらの表現・展開を含んだ記事には、頭に注意書きを載せます
ですが、その記事を飛ばされた場合、その内容についての上記の表現を避けたまとめなどは用意いたしませんので、ストーリーが分からなくなる場合があります
「続きが読みたい!」とのせっかくの声を頂きましても、どうしようもございません
なお、著作権は放棄しておりません
無断転載・無断引用等はやめてください
以上の点をご理解の上、お読みください
篠塚晶哉は密かに動いていた。
ある彼の遺体の一部が入った小瓶を握り締めて、世界中を駆け巡った。
遺体の彼の思い出の地をめぐりにめぐり、晶哉はやっと最初のエモーションを見つけた。
晶哉はエモーションと交渉しようとした。
エモーションは晶哉の言葉を聞こうとしなかった。
晶哉はただ小瓶を強く握り締めるしかできない。
晶哉は紙を取り出し何度も確かめた。
"椿""エイス""不知火兵器""黒獅子"
何度も復唱する。これしか、晶哉が遺体の彼を助ける方法は無い。
そして可能性でしかない"焔火"を考え、気が滅入った。
たった数ヶ月しか属さなかった晶哉ですら居心地がよすぎた『あそこ』。
四年も過ごした彼にとって、どのような場所だったのだろうか。
やめよう、『あそこ』や『あそこ』にいる奴らのことを考えるのは。
どうせ『あそこ』での日々がエモーションになっていたとしても、最後に変わりはない。
最初で躓いているおれに関係ない。
晶哉は顔を上げた。
自分の役目を全うするために。
守らなくてはいけない、自分の立場に従うために。