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NoName(3)
「さて、時間も勿体ないことだし、さっそく企画を進めていこう」
OnAirでは学園祭を区切りに3年生は引退してしまうため彼女は実質OGなのだが、
後輩を立てる気がないのか引退した気がないのかグイグイ引っ張ろうとする。これは、気合入れないと番組持って行かれるな。
「ゲストなのに仕切らないで下さい」
「ごめんごめん。それで?最初は何の話題から話すの?」
珍しくピシャリと言った僕に悪びれた様子もなく謝るあーねぇ。仕方ないので諦めて進行に徹しよう。
「最初は、このラジオのタイトルについてです」
「タイトルについて?そういえば、そもそもこのラジオにタイトルなんてあったの?」
「いえ、ありません。今から考えます」
「……適当ね」
彼女は呆れ顔で僕の方を見ているが、そんなこと重々承知なのでさらりと流す。
「何がいいでしょう?ねこらじおとかだとありきたりですし」
「ねこは新部長なんだからさ。部長としてラジオOnAirの名前をもらってよ」
新部長、という言葉に少しどきりとする。昔から僕を引っ張ってくれたあーねぇは既に一歩後にいて、あーねぇが見守る中僕がみんなを引っ張っていかなければならないことを意識させられる。




