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ハロウィン(17)
「どういうこと?」
「いいから、ちょっと来て」
「何?何なの?」
さっぱり事情が呑み込めない私を、珍しくハワードは強引に引っ張る。向かった先は何のことはない、下駄箱だった。
「もう。一体何が……」
練習後のへこたれた体に鞭打って下駄箱に辿りついた私の目に飛び込んできたのは、下駄箱の前に山積みになった何かだった。
「……何これ」
近づいてよく見てみると、それはお菓子の山だった。クッキー、煎餅、チョコレート、飴にポテトチップスと種類は様々だ。そしてそれらのお菓子は私の下駄箱にもいっぱいに詰まっている。
「……なんか、漫画みたいになってる」
それはさながら、学校中の女子からチョコレートをもらう漫画に出てきそうな光景だった。私のその感想にいたく満足したのか
「凄いだろ?」
とハワードは得意げになる。
「確かに凄いけど」
凄いけど意味がわからない。私が漫画好きだから、ということだろうか。それにしても今日はハロウィンであってバレンタインではないのだが。




