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花火 (7)
遠くで、もう何度目になるかわからない大きな音が連発する。
突然、空に咲く大輪に目をやる泉。それにつられて、俺は空を見上げていた。
「あの花火はさ。確かにたくさんの人の目を引いて離さない、特別なものだけど、輝けるのは夏の夜、皆の期待に応えるときだけでしょ。そうでもなければ季節外れと煙たがられるか、時間を考えろと疎んじられる……。特別なだけに、多くの人に望まれないと輝けないなんて窮屈そうだと思わない?」
「……でも、線香花火みたいに地味で目立たないよりはいいじゃないか」
唐突に始まった泉の口上に、俺は思いのほか強い語気で口を挟んでいた。彼女の言葉が単純に花火のことだけを言っているのではなく、暗に人の話をしているのだと感じたからだろう。同じように感じたことが俺にもあった。




