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梅雨の雨の憂鬱 (3)
「あー、憂鬱だ」
何故雨の日はここまで人を憂鬱にさせるのだろうか。
そんなことを考えていると、チャイムが鳴った。それと同時に近くの教室が開く音と、中から出てくる生徒たちの足音と話し声。
「今年ももしかすると花火大会の日に仕事入ってしまうかも」
「そう、か。わかった。じゃあしっかり予定空けておくよ」
この声は、学校の名物委員長と副委員長の声だ。二人がいると言うことは、今日は学級委員会が行われていたのか。
「嫌な予感がする」
こういう日の嫌なカンと言うものは得てして当たるものだ。俺はするりと教室を抜け出し、図書室で少し時間を潰してから帰ることにした。