表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日常トリム  作者: つぶやきこごえ&九月十夜
連載中
127/130

花火 オマケ(18)

「榊原君」

「なんでしょうか、泉委員長」

懐中電灯の光を榊原君の顔から逸らして呼びかけると、彼はそれに気付かず目を覆ったまま馬鹿丁寧な返事を寄越してきた。そのおかげですっかり弛緩してしまった雰囲気の中、私の『ある思い付き』は言い出しづらかった。結局私は

「ううん、なんでもない」

言葉を濁すことにした。榊原君はようやく目を覆う手をどけて、不満げにくってかかってくる。

「なんだよ、気になるじゃないか」

「だって、来年のことを言うと鬼が笑うって言うじゃない?」

私がはぐらかそうとすると、榊原君は

「来年?……まさか、来年の花火大会に行こうなんて言うんじゃないだろうな」

私の心を読んだかのようにピタリと言い当てて見せた。あまりのことに「……驚いた」と思わず口を突いて出る。

「そのまさかだけど」

「……マジかよ」

どうやら言った本人が一番驚いているらしい。これにはきっと鬼も仰天していることだろう。


次回更新は1月10日17時です

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ