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花火 オマケ(11)
申し訳なさそうに案じてくる周防君を安心させようと、自信たっぷりうそぶくと
「榊原も来るのか」
彼はその自信の出所を推挙する。
「……それは知らないけど」
どうしてそこで榊原君の名前が出てくるのか。
「でも、ご心配なく。私は一人でもやるから」
私の語気の強さから反論も意味なしと判断したのか、周防君は話題を元に戻す。
「だけど、綺麗にしたところでまたすぐにごみを捨てられるんじゃないか」
「それもご心配なく。こんな対症療法じゃなくて、もっと根本的に問題を解決できるように動いてみるつもり。今年一年、ひょっとしたらそれ以上かかるかもしれないけどね」
「榊原はそれを知ってるのか」
「知らないだろうね。言ってないし。無理に付き合わせるつもりはないから」
私の答えに、周防君はたしなめるような口調で語りかけてくる。
「少なくとも榊原は、無理に付き合ってるつもりはないと思うよ。今までも。今日だって」
「今までも今日も、榊原君が副委員長としての立場と仕事に責任を持つ程度に真面目だったっていうだけだよ」
「それだけじゃないと思うけどね。きっと」
次回更新は1月3日17時です