支配人とその助手
パチパチとタイプライターが打つ音が部屋の中に響く。何でも屋のクリード・コーマックは今日も自身のために日記を書く。この日記の内容は、誰も体験した事の無い物語だ。支配人のリアムとの日々。この日記をリアムが読んで、何か思う日が来ますように。
早朝五時にクリード・コーマックは何でも屋に出勤する。
出勤をし、事務所部屋の掃除をし…リアムの洗濯物を洗う…そして、リアムの食事を作る。
「家政婦かよ?!僕は!」コーマックの叫びに、リアムは飛び起きる。
「びっくりした。おはよ〜コーク。」怒っているコーマックに、リアムのほほんとした挨拶をする。
「何が!おはよぉ〜なんですか!支配人が!ぐだぐだしていることに!僕は腹立たしいと感じますよ!」うがああと叫び散らすコーマックに調子を変えずに話し始める。
「えぇここ私の部屋だよぉ?自由にしてよくない?」
「よくないです!リアムさんの家以前に、ここは何でも屋の事務所じゃないですか!」不満そうな顔をするリアムにコーマックは続けて言う。
「大体、僕をコークと呼ぶのはやめろと何度も言ってるじゃないですか。」
「いいじゃーん。クリード・コーマック。略して“コーク“…ね?」
「ね?じゃないですよ!大体、コークって石炭って意味じゃないですか!」
朝からそんな言い争いをしているとインターホンの音が鳴った。
「誰でしょう?僕、出ますね。」コークはそう言うとすぐに玄関に向かって扉を開けた。
こんにちは!薬袋 灯火です!
これは私が高校の時に書き始めた物語です。思えばこれが初の推理小説になったと言えると思います!これからの『Chaeur』の世界をお楽しみいただけると幸いです!