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第1話 客人

業務日報


 雪解けの月十七日

 記録者 コンス侯爵家冒険公社 スーナ支社長 男爵サイアム

 収支報告は帳簿の通り。特に問題なし。買取価格は据え置きとする。

 本日、要塞都市クロイツより弊社荷駄隊到着。予定通り出荷分を積み込み明後日出発予定。道中、小型魔獣を多く見かけたとの報告を受け、調査依頼を作成してもらった。途中まで荷駄隊の護衛をかねて随行してもらい、該当地域で調査して戻ってもらう予定。

 荷駄隊とともに先に帝都の畏敬すべき「友人」より紹介のあった客人が到着。面談を行った。二面性の強い人物の印象がある。非常に人当りがよいがお人よしではない。契約をかわし、社員証を発行。剣や槍も使えるそうだが、魔法使いとしてはかなりの段階にいるので掲示板の募集を見てどこかのチームに入ることを勧めた。


業務日報


 雪解けの月二十日

 記録者 コンス侯爵家冒険公社 スーナ支社長 男爵サイアム

 収支報告は帳簿の通り。買取価格は冬素材を微増、春素材は微減。

 冬眠していた魔物が目覚め始めたため、持ち込みが増えている。

 要塞都市クロイツのコンス侯爵家銀行に現金の送付を依頼する手紙を発送。

 ただ、同様の依頼が殺到していると思われるため、利息が高いがローデン伯爵家銀行に融資を申し入れないといけないかもしれない。

 例の客人が初めての依頼を完遂した。報告のあった小型魔獣の増加の調査だ。

 シャーマンとチーフのいるゴブリンの村落を発見。数は五百程度。小型魔獣の増加は彼らの食料確保のためにシャーマンが多産の魔法陣を繁殖地に描いたのが原因。

 烏合のはぐれゴブリンではないので領主のスーナ伯爵に報告し、対応を決めてもらう。組織だったゴブリン戦士団は面倒だ。

 客人は同行したチームでしばらく一緒に行動するらしい。


業務日報

 新芽の月二日

 記録者 コンス侯爵家冒険公社 スーナ支社長 男爵サイアム

 収支報告は帳簿の通り。買取価格は変動なし。

 要塞都市クロイツより現金の送付を受けた。本社が立て替えてくれた形なので、当分は出荷分が立て替えの返却にあてられる。大事に使うよう徹底する。

 スーナ伯爵はゴブリンの集落を放置することにしたらしい。彼の猟場の一つがしばらく使えない以上の被害がない以上、兵士を危険にあわせる気になれなかったそうだ。

 このままではいずれトラブルになる。容認するなら交渉と取り決めはしておかないといけない。

 出費を思うとため息が出るが伯爵の許可、取り決めの草案と譲歩範囲、価値観の異なる彼ら向けの贈り物の手配、そういった根回しと交渉役の護衛依頼の作成を指示した。

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