第五章
現代人の幻想の抱き方は昔も今もさほど変わらない。
よくある小説などで神様が出てきて教えを説くパターンのものがあるがあれの問題はそんな神様は誰なのかという問題なのである。これは一つの距離であり圧倒的差を見せつけてしまうのであるが実際同じ人間なのである。神ももともと人間と考えるべきなのは然りそれはインドなどの多神教に代表されるデザイン神とは異なるのだが問題は距離が高い幻想を抱きその人が崩壊してしまうような状況を作り出してしまうことにある。その神が誰かということは簡単で元人間の死んだ霊である。覚者である私がいうので間違いはないがこれは通常覚者に降りる閣内留府システムで演じられる霊と全く同じである。大事なのは神に幻想を抱きすぎないことである。確かに彼ら霊は死を乗り越えている。その点では適うはずもなく神聖である。しかし何でも出来るとか全知全能の意味を履き違えて脳裏に刻んでいることは少し奇妙である。共有意識が必ずしも正しいとは限らない。神が高いとか尊いというのは距離を取りすぎないことが大切である。
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白はタブーであると見なされる。国家のちからである紙は白。人体の髪は正反対の黒。
思考に考えが溜まりアイデアに一杯になって埋もれていくことも白である。紙が一杯になっていく様から。
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死者が生者を守る時、これは卓球のスマッシュに似ている。通常守られるべき存在というのは覚者や妊娠している女性などがこれに当てはまるが例えば崖から堕ちるにしても死者は必ず転送を使って守ることになるのである。
スマッシュというのは時間がその瞬間だけ止まって見えてから狙って打つ。そこには独自の時間が流れている。その瞬間を感じてから相手を生者側の陣地へと送り出すわけである。
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就任演説が始まった。
プロト自身の考えはこうだった。
新たな時代、新たな人民、新たな技術が始まった。人民はこれについていこうという意識をもって日常生活を送れ。
パーディアというとんでもないやつがいる。パーディアは知っての通りアガティール帝国の皇帝だ。
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昔の人間だってバカではない。人は過去を通じて習慣や宗教が異なるとしても基本的に変わらず生きてきた。生命の神秘や歴史の重要性について思いを巡らせて生きてきたのである。日本ということについて言えば全く異なるある異常な考え方が広まった。無神論である。しかし過去において切腹があったのはこれは今でも同じことなのである。
やけに穢に神経を尖らせてしまっているようだが今でも切腹は可能である。私がそうだった。25歳の頃切腹をして経験を積むことができた。過去の日本人が普通にできたのはこれは霊の力であるからだ。霊とはなにの例かというと死ぬことの例なのである。霊とは死んだことに対する人の例示である。だからそれらの力を借りれば(一般に幇助と言われる)切腹だって可能である。
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「いつか新しい世界に羽ばたける」「飛び立つための翼」
こういってアニメや小説の世界では人間の不動性をテーマにしたような課題を取り上げているように思える。人生で考えればこれは若い時に大乗として仕事に接しその後縁あって家に留まり青い鳥問題を解決することに全く持って均質性を感じ得ない。これは社会でも同様であったことに気づいたのが最近である。火力発電がそうである。タービンを回すには大きい翼と小さい翼。どちらも高い温度の蒸気と低い温度の蒸気を処理するのに対応する。よって人間の翼は大きい方も小さい方も両方、つまり大乗、小乗どちらも極めることで高いエネルギーが得ることができる。それが創造的自己を実現し人生の課題を解決する。
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社会には役割があってそれぞれが分担をする。ここでは責任の名の元にあらゆることが合理化される。それぞれの権限を十分に発揮できるよう多少の不合理はるまたによって倒されてしまう。るまたは鉾であり役を作っている核心である。
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演説の最中プロトはずっと考えことをしていた。心はもちろんこの国のことを考えていた。しかし外から誰かにみはられている気がした。それは誰なのかはわからなかったが内心は不安だった。プロトは言った。
「パーディアは弱い国を食い物にして搾取をしている。そんなものは前時代的考え方だ。私なら彼を倒し新しい国の頂点に経つことができる。みなのもの私についてきてくれ」
聴衆は士気が高かった。エソがいないこの世界でもまだこちらがわの勢力は干からびてはいない。そのことがわかった1日だった。しかしその背後には仮面をまとった謎の男がプロトを監視していたのだった。
翌日から総入れ替えが始まった。体制の総入れ替えだった。
クリーンを保つために議会を設置しそこで様々な委員会が動くことになった。プロトは総司令官としてトップから指示を出す大任を任された。実質的な王だった。
アガティールの政治も参考にした。アガティールは悪だがそれなりに統治機構が良いからこそ今の地位があるからだとプロトが考えたからだった。アガティールは王をトップに諮問委員会を設けていた。これが実質的な元老院だった。元老院制というのは一部の貴族が独占する傾向があるが意思決定の速さはそれなりだった。プロトはこれを真似た。しかし最終的な権限はプロトが決めることにすることで意見の反映という意味合いを持つことになった。
元老院にはカシファという男をいれてもらうことにした。それから女性も入れたほうが良い。諜報部で活躍していたエリーこちらも元老院に加えた。
エリーが満足そうに話していた。
「なんだ権力にそんなにしがみつくことが嬉しいか?」
「あ。プロト様。違うんです。これで私は戦場で死ぬ可能性が少なくなったことが嬉しいです。ただその一点です。」
「大切な人がいるのか?」
「はい。同棲相手の子供の時からのいい人です。その人にいい報告ができそうで嬉しいんです。いつもその人は私が何時死ぬかわからないといって不安そうにしていましたから」
「そうかそれは良かったな」
「プロト様にも大切な人はいますか?」
プロトはしばし考えた。
「いないよ。もう過去の話だ。昔はいたんだけどね。ユンという幼馴染さ。結婚の約束までしたんだ」
「今はどうされたんですか?」
「死んだよ。アガティールに殺されてね」
「そうだったんですか」
「ああ」
「私もアガティールが憎いです。わたしたちの国をこんなふうに政情不安に陥れて」
「そうだな。そのために俺がいる。俺達はな確実にアガティールの首元にナイフを突きつけてやるんだ。励めよ」
「はい」
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昔の最新は今の最新と左程変わらない。今の最新は半導体が織りなす様々なデジタル技術というのは誰をとってみてもそう意見は変わらないだろう。では昔はどうか。昔にも同様のものがある。それが陶磁器である。陶磁器をノタリコンすると頭字器である。昔は霊の力が強かった。人とともにあり様々な助けを得ていた。もちろんいまでも得ている。霊というのは最新の技術において確実に設計コードの転写を手助けしている。コードを理解できる人間はそういないように霊にしか見えないのだ。それを降ろしたりするのには黙示録を使って機能者が黙したことを他の受益者に話して字にしたりすることがよくあるのだ。鳩摩羅什だってお教を訳すのに頭に字が浮かんでからそれを地上に降ろしている。今は別の形になった。設計コードというものに移ったらしい。何しろ言葉が世界であり伝達として言葉は情報である。天と話すということはまさに天子がいた過去の時代においてはよくあることだった。まだ科学の進歩が追いつかず宗教の力が強かったためである。