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まつろわぬ神々の詩(うた)  作者: ロッドユール
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衝撃音

 多くの来賓のお歴々も心地よくお酒の酔いが回り、よい感じで祝賀会も盛り上がっていた。

「あ、ありがとうございます」

 葵は、もう一度カティアーティーに深々とお礼を言った。

 ドーンッ

 その時だった。それは突然起こった。物凄い衝撃音と共に城全体が大きく揺れた。天井からは、ぱらぱらと砂ぼこりが落ちて来る。カティアーティーと葵は驚き、天井を見上げた。大広間全体が、楽しそうな音楽や話し声が一瞬で消え、静まり返った。その場にいた全員が、何事かと、恐怖と不安の表情で天井を見上げた。

「何事だ」

 カティアーティは、すぐに近くに控えていた近衛兵を見た。すると、直ぐに確認のため、そのうちの一人が走って大広間を出て行った。

 いったいどうしたのか、何が起こったのか、人々が不安げな表情で顔を見合わせている、その時だった。

 ドーンッ

 再び、衝撃音がして城が揺れた。

「キャー」

 大広間に、叫び声が響き、会場はパニック状態に陥った。葵も不安と恐怖で身がすくんで、その場を動くことができなかった。

「何事じゃ」

 三長老の一人ポンじいが、カティアーティーの隣りに来て天上を見上げ叫ぶ。

 カティアーティーの表情も、さっきまでの柔和で明るい表情からは一変し、硬く険しくなっていた。

「軍隊です。軍隊が城を囲んでいます」

 その時、一人の兵士が広間に駆け込んできて息をする間もなく叫んだ。大広間に動揺のざわめきが起こる。

「どこの軍隊か」

 直ぐに女王カティアーティーは、女王然とした毅然とした態度で叫んだ。

「それが・・・」

 兵士が言い淀む。

「どこだ」

 今度は隣りにいたポンじいが詰問するように訊いた。

「カント・・、軍」

「カント!」

 大広間にどよめきが起こった。

「皇帝と名乗ったのは本当だったのか・・」

 ポンじいの隣りにいつの間にか立っていた、国一番の知恵者と言われる三長老の一人、デクじいが呟くように言った。

「カントは世界の真理を解読したとかなんとか宣言していたが・・」

 デクじいが呟く。

「絶対の真理、絶対の神と言うことか」

 ポンじいがデクじいを見る。

「ゼウス・・」

 デクじいが呟く。

「まさか・・」

「そんなもの・・」

「あるはずがない・・」

 あまりのことにポンじいが切れ切れに呟く。

「絶対の神など、何を考えているのだ。世界は移ろうもの・・、世界はそうできているものだ。絶対の神などあるはずがない。そんなもの・・」

 ポンじいが怒りを爆発させる。

「ジネイ」

 カティアーティーが、すぐにすぐそばにやって来て控えていたジネイ将軍を見た。

「はっ」

 その言葉だけで、全てを理解したジネイ将軍は、カティアーティーに一礼すると直ぐに部下を従え、広間から足早に出て行った。

「どうする」

 ポンじいが誰に言うともなく言った。

「・・・」

 しかし、その場に集ってきていた他の長老、宰相、神官、官僚たちも、誰もが言葉なく立ち尽くしていた。

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