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まつろわぬ神々の詩(うた)  作者: ロッドユール
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魔女見習いカーリー・スー

 少女は木からスッと飛び下りると、葵の直ぐ目の前に降り立った。そして、そのそばかすだらけの顔を前に突き出し、葵の顔を覗き込んだ。

「・・・」

 葵は驚くよりも、どうしていいのか分からず息を飲んでその少女を見つめ返した。

「私はカーリー・スー、魔女の見習いなんだ」

 カーリー・スーは、全くなんの気兼ねもなく、いきなり気軽に葵に話しかけてきた。

「魔女・・」

 魔女という言葉に葵は、全身が硬直した。

「今はまだ見習いだけど、いつか師匠みたいな立派な魔女になるんだ」

 しかし、カーリー・スーは恐怖で固まった葵の反応などお構いなしに勝手にしゃべり続ける。

「師匠は、本当に素晴らしい方なんだぜ」

「・・・」

 無邪気に語り続けるカーリー・スーの姿に、葵は心のどこかで、この子は悪い子ではないのではと感じたが、でも、やはり、魔女という言葉が葵を怯えさせた。

「お前、追われているんだろう」

「えっ、う、うん」

 葵はうなずいた。なぜ知っているのだろうかと驚き、葵はカーリー・スーを見つめ返した。

「じゃあ、うちに来なよ」

「えっ」

 カーリー・スーは気軽に言った。しかし、葵はこの子を信じていいのか分からず、ただ戸惑うばかりだった。だが、カーリー・スーは、葵の返事も待たず一人歩き出して行く。

「・・・」

 葵は頭がまだ混乱していたし、それに何より怖かったし、訳も分からなかったし、最初躊躇したが、でも、ついて行くしか他に道が無く、カーリー・スーの後ろについて、おずおずと歩き出した。

「私の師匠は、この世界で一番偉大な魔女なんだ」 

 カーリー・スーは歩きながらも戸惑う葵の横に並んで来て、一人しゃべり続ける。どうもかなりおしゃべり好きのようだ。葵は改めてカーリー・スーを見つめる。

 カーリー・スーは、原色の奇妙な柄の布を張り合わせたような巻き付けたような奇妙な服を、縫い付けるように着ていた。それは、それを服と呼んでいいのかも分からない程の、珍妙な作りをしていた。前に一応大きなボタンが並んでいるのだが、それすらが互い違いにずれていて、しかも、ボタンとしての機能を果たしていない。足には長い靴下を履いているのだが、それすらも左右が色も柄も形も違っていて、どういう作りになっていてどうやって履いたのかさえ分からない奇妙なものだった。それにその靴下の先に履かれている靴は、カーリー・スーの細くまだ小さな体にまったく合っておらず、やたらとでかく長かった。

「・・・、この子は一体・・、悪い子には見えないけど・・」

 葵はカーリー・ス―の素性と、そして何よりそのキャラクターに、困惑した。

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