第十九話 懐かしの姿
大鷲中学校設立。1995年1月26日。
そして、いまは、2010年1月26日。
15年目の設立感謝祭が行われた。
そして、毎年この日には、必ず転校生が来る...。
去年は、七海 梅雨と七海 兎というひとが来た。
そして、今年は…。
「今年も、転入生が来ました。」
その子は、またも女の子…しかも…
「私の名前はプリムラ=なでしこ です。よろしくお願いします。」
「ドロップはプリムラ=ドロップ!よっろしくねーw」
「二人は、レプトス島から来た双子さんで、なでしこちゃんは、医療のスペシャリスト、ドロップちゃんは、運動のスペシャリストで、人との交流のために、ここ日本にきたそうです、皆さん、仲好くしてあげてくださいね。」
と、校長(38歳)がいうと
「はーい!」
と、1,2,3年生の生徒(特に男子)は、思いっきりそう言った。
朝から昼までの、転校生紹介は、一般的だが、外国からの、しかもレプトス島からは(かなり、優秀な人たちが集まる島)、あまりにも珍しい…。
毎年のように、最上級生か、その下の二年生には、転校生が来る。今年は、最上級生だったようだ…。
って!どんだけ増えてんだここの校舎!
とツッコんでしまいたいぐらいだ。
そして、僕がいたのは、裏校舎。
そこになぜいたのかは、あえて伏せて、まず、ここには、ある思い出があった。
「…最後に会ったのは、半年前になるな、リリ。」
「キューキューw」
「覚えててくれたのか。うれしいよ」
そこにいたのは、小さなリス。
前に、飼っていたリスだ。
僕がいじめに会っている時に、いつも慰めてくれた、唯一の人物だ。
「今日は、記念日だから、みんな、転校生に夢中だろうな。だから、少しここにいれるよ」
「キュー?」
「まったく、本当に可愛いやつだなwハハっ」
と、リリは、いつも僕を楽しませてくれる。普段は見せない顔も、リリには見せてしまう。
「な〜んで、こんなところにリスちゃん飼ってるのかな〜?」
「そりゃあ、家には、親が…って大洞っおまえっ!設立感謝祭行かないのかよ!?」
「私は、あっち(祭)よりもこっち(績)のほうがたのしいから」
「キュー!」
「わーwかっわいいーw名前はー?」
「リリ。漢字で言うと勝利の利に里。」
「へぇーwリーちゃんかw」
「何勝手にあだ名つけてんだよ」
「別にいーじゃんねーリーちゃん。」
「キュー」
「まっリリが認めてんならいいけどさ」
「なんかいいな、この光景」
「えっ何?きこえなっ…ひゃっこしょばいってば〜リーちゃん」
「まあ僕は、戻るよ。リリのこと、よろしく。」
「わかった!」
と、言って、手を振り、そこを去った。
次に行くのは…屋上。
階段を上ッて行く。
その途中、転入生がいたが、別に興味もなかったので、スルーして、上へ上へと行った。
そして、屋上へたどり着いた。
「やあやあ、久しぶり。元気かい?」
「まずまずだな」
そこにいたのは、事故で入院していた、渡辺 東寺の姿だった。




