第壱話 お見舞いついでの告白
急いで手すりから下を見ると、そこにはその人が下の階の手すりを必死に握っていた。まずはあることを考えた。
それは下の階に降り、手すりにつかまっているその人を助けること。壱
もうひとつは、地上に落ちてくるその人を受け止める。弐
なんてことを考えていても仕方がないと思い、あえて壱を選んだ。
僕は猛ダッシュで下の階に行き、その手すりのある場所を探した。
すると見つけた。が行こうとする瞬間あることに気がついた。そこは、女子更衣室だったことに。
「くそっ。こんなところに入ったら間違えなく変態だ。だがどうする…あの人を助けるには…ええい!迷っても仕方がない!」
僕は、女子更衣室へ不法侵入して、その人を助けに向かった。なんとかまだその人はまだつかまっていた。僕は手すりを握っている手首を持った。
「今助けます!」
が、不意に後ろから殺気が感じ取れた。それは、まさしく女子の殺意かそれともなんだったのか…。
それを感じた僕は油断してしまい、そのまま落ちてしまった。
なんとかしてこの人を守らなければと思った僕は、その人の顔に上半身を押しつけて、地面のほうに背を向けた。
「(ああ・・・ナウOカはこんな気持ちだったのか。)」
などと思いながら、そのまま地面へと突撃した。
その後、あまりの痛さに気を失ってしまった。
私は、あの時助けてもらった人が入院していると聞いてここに来た。が、少し不安だった。もしも怒っていたらどうしよう。体を払わねばならぬのか。その時はどうしよう。と妄想へとダイブしそうになった時に、一人の男が通りかかった。
「わっ」
「あっすまんっ」
私はいきなりのことで驚いてしまい、つい押されただけでこけてしまった。少しだけ痛かった。
「ん?そのバスケット…。見舞いか?」
「あっうん...あなたも…。」
「ああ・・・なんか友達が学校から少女を助ける代わりに落ちたって聞いたからよ。」
「…それかぶってる…。」
そうなのだ。私はこのときうすうす時がついていた。この人はあの人の友達なのだと。
しかし、このまま一緒に行くよりも偶然…といった方がいいだろう。
私は彼と病院内に入るとすぐにカウンターへ向かった。が彼は二度目以降なのだろうか、なれた動きで普通に奥へ進んでいく。しばらくしても帰ってこなかった。その間に私はカウンターの案内を聞き、その人のところへ着いた。が周りを見渡してもさきほどの彼がいないことに気がついた。
「どこ行ったんだろ…」
そんなことも気にしながら私は歩き、奥へ進むと外を眺める彼がいた。
「こ…こここ、こんにちは!」
「ん?あっこんにちは」
彼はいきなりそういうと、脳裏に「おまえはペコペコ星人か!」と突っ込む私がいた。
「あのときは…ごめん。」
「あの時…あの…ああ転落した時の。いやあれは僕の不注意だったよ」
ハハハなんて苦笑いをしていた。
「…怒ってないの?」
私はそれが心配になっていた。
「別に。僕が自分でやったことだしさ」
ふぅ〜…と落ち着きの息をした。
「もしかして、それが心配だったとか?」
「えっあっうっうん…。」
なんという鋭さ…。参りました。
「ところで、君の名前まだ聞いてなかったよ。僕は潤野 績。大鷲中学校の中2だよ。」
「私は、七海 梅雨。今度大鷲中学校に転入することになってあなたと同じ年齢。」
「へぇ〜。ってことはあの時は下調べってところかな?」
「うっうん…。まさかいきなり落ちそうになるなんて…。」
「実際落ちちゃったけどね。」
「だね。ハハハ」
なんて話を続けていると、ダッダッダッ...という誰かが走る音が聞こえた。
「おい!潤野!ここにいたのか!探したぞ!」
誰かと思えば、先ほどの人だった。やっぱり潤野君のお見舞いだったんだね。なんて思っているうちにその人は、いきなり
「おっさっきの子じゃん。知り合いか?潤野。」
「いや、この子が落ちる時にいた子だよ。あっそういえば怪我はなかった?」
「あっうん。全然平気だった。」
なんて言うか、この人は優しい。そして何よりも自分よりもまず他人からという点では、危ないなと思いました。あれ?これ作文?
「あっ名前言ってなかったな。俺は日下部 昂冶。熱血野球少年だ!」
「えっあっそうなんだ。」
えっ何今の?とあせってしまい、少し戸惑った。まさしく脳がないとは彼のことなのだろうか?
なんてことを思ったりもした。そのあと彼はすぐ帰って行った。私たちはしばらく沈黙した。
そして、言葉を出した。
「あ...あの…」
「ん?何?」
「あの…わっ私と...あってください...」
「ん?聞こえないもう一回言ってうれないかな?」
「私と付き合ってください!」
と私はつい思い切って告白した。彼は少し動揺した…。
告白された、潤野 績…、さて、答えは?




