第十八話 績の復活
(−−−緊急病室−−−)
績が倒れてもう3時間。
いま、病院に残っているのは、医者と、績と由愛と籠晴ぐらいだ。
ほかのメンバーは、それぞれの家にいる。
皆、績が倒れたことは知らない…。
「どうしよう...潤野クンがこのまま死んじゃったらどうしよう...」
そう言って、落ち着かない由愛を、籠晴が
「大丈夫。大丈夫。アイツは大丈夫だから。」
そう言った。
「うん…。」
由愛はそういうと、少し落ち着いて、近くの長椅子に座った。
「大洞は少し休んどけ。もう丸二日ここにいるじゃないか。」
「…でも、潤野クンを倒れさせてしまった…。私がちゃんと、ローズ病の対処法を見つけていれば・・・。」
「…。そんなことはないさ。」
泣きそうな由愛を、慰めようと籠晴がそういうが、本人も悲しい表情がなくならなかった。
その時、緊急病室の治療が終わったらしく、ドアも同時に開いた。
現時代では、緊急病室のドアは、医者の合図とともに開くらしい。
「うっ潤野クンは…大丈夫なんですか!?」
そう真っ先に医者に言う由愛。そして、中を見ると、そこには、立っている績の姿があった。
「うっ潤野クン!」
と、泣きながら由愛は、績の方へ走った。
籠晴は、それを遠くから見ていた。
すると、医者が
「あなたは、彼の関係者ですか?」
「まっまあ…。」
「それでは、お話があります。」
「わかりました。」
と言って、籠晴は医者とともに、奥の部屋へ行った。
「…というわけです。」
「それは…どういうことですか!」
「彼が助かるためには、彼自身を変えなくてはならないのです」
「…そうですか…。」
「ただし、ローズ病を直さなくては、彼自身を変えられません。」
「そこで、あなたにこれを渡します。」
と言って、医者は籠晴に注射器と、薬のようなものが入った袋を渡した。
「これは…?」
「これは、止活剤です。これを一日3回打ってください。」
「彼にですか・・?」
「違います、彼女にです。」
「それはどういうことですか?」
籠晴は、全然理解ができなかった。
「その止活剤を、一週間受け続けた人物と、感染者がキスをすれば、ローズ病は直ります。」
「…いままでなぜ言わなかったのですか?」
「これは、最終段階になった時だけです。」
「最終段階?」
「はい。このローズ病は、大きく分けて、3段階に分かれます。」
「ひとつは、感染。」
「ふたつは、増殖と消失。」
「そして、最後が、移転」
「移転!?」
「はい。実験結果から、移転ということがわかりました。」
「移転は、感染者を増やします。」
「移転の居場所は?」
「最も近い人物。友達や親といったところでしょう。」
「なるほど・・。」
「それを抑えるための止活剤ですが、感染者以外でないと、さらに、感染者の異性でないと効果がでないようなんです。」
「そうですか…。わかりました。一日3回ですね。」
「はい。よろしくお願いしますよ。」




