第十五話 記憶喪失
それから一週間、寝たきりのツムギを見ていた。俺。
「…。ったく…テマ掛けやがってよ」
と、デコピンをする。
それで目が開くわけでもないが、自然とそうなってしまうのだ。
「…うぅん…。」
と、いきなり、ツムギの目が覚めた。
「ううっわっ」
「…。ここは…。」
「目が覚めたか!ツムギ!」
だが…。
「あなた・・・誰ですか?それに…ツムギって…?」
「なっ…。おっおい!!おっ俺だよ!覚えてないのか!?」
「…わかんないよ…。だれ…?」
ツムギは記憶を失っていた…。
「彼は、ローズ病と呼ばれる極めて珍しい病気だね。」
「あっ先生。」
この先生とは、この国立総合病院の医者だ。以前から面識があり、腕の立つらしいが…。
「さて、そのローズ病だが、基本的には、頭を打ってなる病気じゃない。」
「どういうことですか?」
「ローズ病は、ローズ結晶から出る粉がウイルス化して、生き物の中に入っておこる。その効果は、人それぞれだ。」
「今回の効果は記憶喪失か…?」
「いいや。ローズ結晶に、そのような能力はない。あるのは、増殖と消失。記憶喪失だけはないはず…。何かが増し、何か失ったものがほかにあるはずだ。」
「…。なるほど。話は全部聞いた。」
そこにいたのは、
「俺たちが何とかしよう。」
そこにいたのは、日下部と大洞となぜか渡辺だった。
「…だれ…?」
その言葉に、一番敏感に大洞が反応していた。
「いっいきましょ。」
と、大洞が言うと、続けて
「ああ。」
と日下部と渡辺が言った。
そして、三人は動き出した。
だが、三人は、ローズ結晶のことを何も知らなかったので、目指していたのは、東方図書館。(図書館は、東西南北と、中心部にそれぞれある。その中でも、中心部と東方は、もっとも詳しい本が多く、歴史なら中心部、科学なら、東方の方が多い。)
その行く途中、大洞が口を開いた。
「…。潤野クン、本当に私たちのこと、忘れてたね。」
「しゃあないさ。あの病気のせいなんだろ?」
「でも…忘れられるのは…つらいなぁ…。」
大洞の目は、うるうると涙を流すように、潤っていた。
「だから、さっさと治す方法を見つけ出すんだろ。」
「…うん」
日下部は、悲しむ大洞を慰めていた…。
バスで、約10分。三人がいた場所は、南区。
都市は、アンダーグラウンド(地下空間)とスカイフィールド(空中空間)と地上都市に分かれている。
この都市のことを、学園が中央区にあるので、学園都市と呼ばれている。
「…ここが、東方図書館か。でかいな。」
その大きさは、東京ドームに等しいかそれ以上のでかさだった。
「さあ、いこっ」
「おー!」
こうして、ローズ結晶の捜索の第一歩(?)が開始されたのである。
一方そのころ…。
「これが、「あ」これが「い」。」
「あ、い」
「よくできましたーw」
籠晴は、績に、なぜかあいうえおを覚えさせていた。




