表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ 〜中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる〜  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
六章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

648/648

88「レダとルナのお話」②





「……パパぁ。大袈裟すぎぃ。娘なんていずれは嫁にいくじゃない」

「何度も言っているけど、俺とミナが親子になってまだ一年も満たないのに、もうお嫁に行くとか悲しい!」


 レダは泣きそうだった。

 たくさんの出来事があったが、まだ一年にも満たない時間しか過ごしていないのだ。

 もっとたくさんの思い出を作りたいし、もっと父と娘としての時間を過ごしたいと思っている。だが、忙しい。忙しいながら、ミナはいい子で手伝いをしてくれるし、同じ治癒氏を目指してくれている。そんな愛娘が嫁に行くにはまだ早いのだ。


「ミナはまだ成人もしていないのに」

「あと三年もないわねぇ。あっという間ねぇ」

「え、エンジーと十歳も年が離れているし!」

「あのねぇ、パパとあたしのほうがぁ、もっと歳が離れているんですけどぉ!」

「そうだよね! 人のこと言えなかったね!」


 エンジーとミナの年齢差より、レダとルナの年齢差のほうがあるのだから、年齢云々で反対派できない。


「というかぁ、パパってエンジーはミナは結婚相手として認めないって感じぃ?」

「いや、そういうわけじゃないんだよ」


 エンジーのことは好きだ。

 歳の離れた弟のように思っている。

 だから、彼を食事に招いているし、何かと構ってしまう。

 ルナたちも、エンジーのことをレダと同じように弟として扱っている。

 レダに血の繋がった家族はいないが、血の繋がり以上に絆で繋がっている家族がいる。

 その家族の中に、エンジーももちろんいるのだ。


「エンジーのことは大事な家族だと思っているよ」

「……えっと、家族と家族がくっついても家族なんだから、よくない?」

「あのね、ルナ。俺はエンジーがどうこうって話じゃなくてね、ミナがお嫁に行くことが嫌なだけなの!」

「わがままじゃん!」

「わがままだよ! 父親なんてこんなものだから!」

「パパの場合は嫁が複数人いるんだから、父親からしたら天敵みたいな人だと思うけどぉ!」

「がはっ」


 ぱたん、とレダが倒れる。

 言われなくてもわかっている。

 男親からすると、レダは決して好まれない人間だろう。


「でも、真面目にこの話ってちゃんと考えたほうがいいと思うのよねぇ」

「ルナ?」

「あんまりこういうことって言いたくないんだけどぉ、パパって治癒士じゃん?」

「そう、だね?」

「災厄の獣を倒してぇ、でっかい魔石をゲットしてぇ、結界術も習得しちゃったじゃない? あたしのことはさておき、王女様のアストリットに辺境伯の妹ヴァレリー、エルフのヒルデが奥さんなんだから、パパと仲良くしたい人ってたくさーんいると思うのよねぇ。貴族とか貴族とか貴族とかぁ」

「貴族ばかりだね。でも、そうだね、可能性としてはあるかもしれないね」


 そんなことはない、とは言わない。


「パパに女性を紹介するっていうのは難しいからぁ、子供の結婚ってなる可能性だってあるでしょう。そうなると、ミナによくわかんない男が集まってくるのよねぇ」

「――ミナが望まない結婚を強いられるなら、さすがに大暴れするよ?」

「もうパパったらぁ。そういう面倒くさいことになる前にぃ、ミナとエンジーを公認にしておくのよぉ」

「…………」

「目が死んじゃっているんですけどぉ! あのね、ミナが憎からず思っているエンジーだっていつかは結婚とかするんでしょう? パパと同じように治癒士、災厄の獣を倒して、結界術を習得しているんだから、貴族や商人の女がわらわらとくるわよ! わらわらと! もしもね、エンジーが誰かと結婚しますってなったら、ミナしょんぼりしちゃうんだけどぉ。しょんぼりしたミナ、みたいぃ?」

「見たくないです!」

「じゃあ、そういうことね」

「…………覚悟を決める時が来たか。とりあえず、エンジーと本気で一対一のお話をしよう。――主に拳で」

「やめなさい」

「……だってぇ!」

「パパとこの話をするとまったく進まないのよねぇ。あたしだって可愛い妹には幸せになって欲しいから、エンジーを無条件で受け入れるわけじゃないからぁ。お姉ちゃん的にきちんとお話しするからぁ」


 にこり、と笑ったルナだが目が笑っていない。

 レダが親馬鹿であるのなら、ルナはシスコンだ。普段は隠しているし、冷静に振る舞っているが、その胸の奥に宿る感情は凄まじく強い。


「パパが想像している三十倍はあたしは厳しいからぁ!」


 ちょっとだけ、本当にちょっとだけレダはエンジーを応援したくなった。






 次回からイベントが始まります!

 お楽しみに!


 双葉社モンスターコミックス様より「おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ~中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる~」の最新14巻が発売となりました!

 1巻〜13巻も何卒よろしくお願いいたします!


 :本日、コミカライズ最新話が更新されております!


 14巻は、13巻に引き続きレダにとっての重要人物の登場です!

 ぜひ応援していただけますと嬉しいです!

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ