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おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ 〜中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる〜  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
六章

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85「ウィルソンとウェルハルト」①





 教皇ウィルソンは、少し早いが自室に戻っていた。

 まとめる書類は明日でいいが、来客が待っているのだ。


「――お待たせいたしました、ウェルハルト・ウィンザード殿下」


 部屋の中には、ウィンザード王国王太子であるウェルハルト・ウィンザードが待っていた。

 来客用のソファーに腰を下ろし、足を組んで本を読んでいたウェルハルトはゆっくり顔を上げた。

 本を閉じて、ウィルソンに微笑む。


「ははは、夜分に申し訳ないな。しかし、もう少しゆっくりでもよかったのだが?」

「さすがに殿下をお待たせするわけにはいきません」

「せっかくの時間を邪魔したようですまないな。いくつかレダ兄上の周辺のことが片付いたので報告に来させてもらった」

「殿下自らとは恐れ入ります」

「他ならぬレダ兄上のことだからな。ダンリックが代わりに来ようとしていたが、小難しいことは好かんと嫌がられてしまう」


 ウェルハルトはくつくつと笑った。


「今も難しい話は遠慮したいと中庭で剣の素振りをしている。一応、護衛なんだが。まあ、教会内で私を襲う愚か者がいるわけがないので、安心だがな」

「仮に襲われても撃退するだけのお力をお持ちでしょう」

「言ってくれるじゃないか。謙遜はしないがな。しかし、ウィルソン殿、少々教会の情報管理は甘いようだな」

「――それに関しては申し訳ないと思っています」


 ウェルハルトの対面に座ったウィルソンは、笑みを浮かべたまま表情を変えることはしない。


「責めるつもりはない。人間の口を完璧に閉じることなどできない。私も、親しい者と酒を飲むとつい余計なことを言う。それが巡り巡って誰かに伝わってしまうことも珍しくない」

「殿下のお話が巡り巡ってしまうのはいささか問題かと思いますが」

「はははははっ、どうせ私は大したことしか口にしないから問題ないさ」


 有効的に会話をしているようだが、内心ではお互いを探っている。

 王家と教会の関係は良好ではあるが、レダ・ディクソン治癒士を巡りどちらも味方にしたいと思っているため、どうしても互いに警戒があった。


「私は父上やあなたや歴戦の貴族たちと違い腹黒くはないので、探り合いはやめておこう。この数日で、だいぶ王宮も綺麗になった。と言っても、完璧ではないがな」

「大掃除よりも、こつこつ掃除した方が結果的には綺麗になるものですよ」

「違いない。教会はそろそろ綺麗になるかな?」

「まだ箒とちりとりが手放せません」

「お互いに大変だな」

「まったくです」


 要は、ウィンザード王家も教会も腐敗の掃除中であった。

 その腐敗の原因は、回復ギルドと冒険者ギルド、そして貴族にある。


「いろいろ話をしたいが、まずそちらのお話をしよう。レダ兄上に関しての情報が漏れていた」

「はい。確認しています。エンジー……いえ、ライリート男爵家に情報が漏れていましたね」

「エンジーのお母上だな。話は聞いたが、随分と、その、なんだ。訳ありな方らしい」

「ええ。ですが、悪人ではありませんよ。現に、ライリート男爵夫人がレダくんの情報の大半を自身のところで握り潰してくださいました」

「なるほど。情報が漏れていた割には、大事になっていないのはライリート男爵夫人のおかげか」

「はい。彼女は、息子のためにしたことでしょうが、結果的には助かりました」


 レダに関して、エンジーの母マーゴットは情報収集をしていた。

 その過程で、教会の人間からも情報を得ていたのだ。しかし、その情報を彼女は自分のところで握り潰してくれた。

 おそらくエンジーの害になると判断したのだろうが、結果的には情報が拡散されなかったことで、ウェルハルトとウィルソンの目的に支障が出なかった。

 むしろ、マーゴットのおかげで、教会内部の誰が外の誰と通じているのか把握できたのだった。






 レダが関わらない裏側のお話です!

 エンジーとレダはもうしばしお待ちください!


 双葉社モンスターコミックス様より「おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ~中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる~」の最新14巻が発売となりました!

 1巻〜13巻も何卒よろしくお願いいたします!


 :コミカライズ最新話が更新されております!


 14巻は、13巻に引き続きレダにとっての重要人物の登場です!

 ぜひ応援していただけますと嬉しいです!

挿絵(By みてみん)

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