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おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ 〜中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる〜  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
六章

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37「シュシュリーの姉」①




 ――王都。アンバー子爵家。



 シュシュリー・アンバーは、久しぶりの実家に戻ってきてほっと肩の力を抜いていた。


 レダ・ディクソンの弟子のひとりとして、貴族ではなくひとりの治癒士として働く日々は充実しているし、アムルスでの日常も楽しい。

 それでも、やはり生まれ育った実家に帰ってくると、安心感がある。


「お父様、お母様、シュシュリー、ただいま帰りました!」


 桃色のショートカットを揺らし、シュシュリーは両親に挨拶をする。


「シュシュリー、かわいい我が自慢の娘よ。立派な治癒士として働いていると聞いている」

「あなたは私たちの誇りですわ」

「ありがとうございます!」


 茶色い髪を整え、髭を生やした父と、桃色の髪を三つ編みに結う母と顔を合わせたのは半年ぶりだ。

 お互いに元気でやっていることを確認すると、口元が綻んでしまう。

 シュシュリーを幼い頃から見守ってくれている執事やメイドたちも、彼女の帰還を喜んで、涙を流す者もいる。


「聞けば、大変な経験をしたそうだな」

「――はい」

「詳細を訪ねていいのかわからぬが、シュシュリーたちが問題を解決したと聞いている」

「正確に言うならば、レダ先生と勇者ナオミ様とエンジーが命を掛けて頑張ってくださった結果です。私は少しお手伝いをしただけです」

「……陛下から直接お褒めの言葉をいただいている。あまり謙遜せずともよい。娘が遠い地で戦っていることを知らず、変わらぬ日々を過ごしていたことを恥ずかしく思う」

「そんなことはありません。私は、治癒士として当然のことをしただけです」

「……とても良い目をしている。良き師、良き友と出会えたのだな」

「はい。とても充実しています」


 両親はシュシュリーを力強く抱きしめた。


「――無事に帰ってきてくれてよかった」

「おかえりなさい、シュシュリー」


 辺境のアムルスに年頃の娘を送り出す選択は、難しかっただろう。

 シュシュリーに治癒士の才があったとしても、親としては結婚して幸せな家庭を築いてもらいたいと思うものだ。

 だが、シュシュリーは自らの意思で治癒士の道を、レダ・ディクソンの弟子になる道を選んだのだ。

 家族が反対したことは言うまでもない。

 それでも、シュシュリーは自らの意思を通した。


 ――幼い頃、一度だけだが、助けてもらったあの日のことを鮮明に覚えていたから。


「ところで、手紙では何度か聞いたが……シュシュリーがお世話になっている方が、レダ・ディクソン殿で間違いないのだな」

「昔、あなたたちを暴漢から助けてくださり、傷まで癒してくれた方ですね」

「――はい。間違いありません」


 シュシュリーには、治癒士を目指す以外にも目的があった。

 それは、レダ・ディクソンを探すこと。

 当時、治癒士ではないと言ったレダと、治癒士レダが同一人物か確認するという理由もあった。



 ――見つけた。




 レダ・ディクソン。

 シュシュリーを助け、姉を助けてくれた大恩人。

 尊敬する師匠。





 ――そして、姉の想い人。







 シュシュリー姉の登場はもうすぐです! お楽しみに!


 双葉社モンスターコミックス様より「おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ~中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる~」の最新12巻が発売いたしました!

 1巻〜11巻も何卒よろしくお願いいたします!

 ぜひ応援していただけますと嬉しいです! 何卒よろしくお願いいたします!

挿絵(By みてみん)


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― 新着の感想 ―
シュシュリーの姉! レダの嫁が………な、件。
((o(。>ω<。)o))ワクワク
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