表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ 〜中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる〜  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
六章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

541/628

110「魔石の扱い」③





「真面目な話、実際問題として当家に差し出されてしまっても困る。宝の持ち腐れであることはもちろんとして、管理ができない。大きすぎる魔石をどうすればいいのか考えもできないのだよ」

「……いっそ砕きますか?」

「やめて!?」


 レダの提案にティーダが悲鳴を上げた。

 普段ならまず口にしない過激なことをレダが言うあたり、レダもレダで参っているのがわかる。


「いや、砕いてしまうのもひとつの手でしょう」

「ルルウッドさんよ、さすがにそれはまずいんじゃねえか?」

「まずいにはまずいですが、砕いてもサイズ的にも希少であり価値は高いでしょう。拳大くらいに砕くことができれば……あ、しかし、国宝級が複数個というのも問題になりますね」

「あんたも十分に混乱しているな」

「……そのようです」


 ルルウッドも冷静さを失っているようだ。

 テックスも苦笑いだ。


「とりあえず、レダ」

「はい」

「この魔石をしまってくれ。見ていると動悸が……」


 精神的な負担が大きかったようで、ティーダは巨大な魔石を見ていたくないようだ。

 レダも同じだったので、すぐにアイテムボックスの中に魔石を収納した。


 ――ほっ、と一同が息を吐く。


「魔石ひとつ、と言葉にすれば簡単だが、あの大きだ。存在感と威圧感が凄まじかったな。いつもの私の執務室に戻って安心する」


 レダたちもティーダに同感だった。

 勝ち取った勝利の証である魔石ではあるが、国宝級であることから威圧感が凄いのだ。

 同じ空間にいると安心ができない。


「先ほどは冒険者ギルドを例に出したが、存在が知られたら……商人たちはもちろん、教会や魔法関係者も欲しがるだろう」

「大金を積んで譲ってくれと言ってくるでしょう。ただし、あくまでも予想ですが、魔石の価値ほどの金を集められはしないでしょうね」


 大変なことになると頭をかかえるティーダに対し、ルルウッドは冷静だ。


「国一番の商人が全財産だったとしても、魔石の正当な金額にはならないでしょうね。ただ……正当な金など誰にも払えないと思いますので、譲れるものなら譲ってしまうというのもひとつの手です。よほどの馬鹿でなければ、まず買おうとはしないでしょうけどね」


 実際問題として、レダたちが誰かに売ったとして、魔石を利用することができるとは思えない。

 予想できるのは、次から次へ魔石が人の手に渡り、その度に価値が高まっていくことだ。

 せっかくの魔石は、誰にも利用されず、ただ場所を変えるだけで終わるだろう。


「――もう、いっそ王家に献上しちゃいませんか?」


 レダが、半分投げやりに、半分最善だと考えて提案した。




 要約「どれだけ話をしても良い考えが浮かばないから丸投げしようぜ!」


 双葉社モンスターコミックス様より「おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ~中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる~」の最新10巻が発売いたしました!

 ぜひ応援していただけますと嬉しいです! 何卒よろしくお願いいたします!

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ