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おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ 〜中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる〜  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
六章

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100「戦利品」①





 災厄の獣は塵となった。

 戦いがようやく終わったことにレダたちは、本当の意味で身体から力を抜いた。


「……アムルスに帰ろう」


 みんなが待つ街へ。

 戦いが終わったと、もう心配も不安もないと教えたい。


「――いや、待て、レダ」

「うん?」


 ノワールが、厳しい視線を獣のいた場所に向けていた。

 みんなに視線が集まる。


「どうしたの?」

「これを見てくれ」

「どれ? …………宝石?」


 ノワールの視線の先には、血のように赤い岩のようなものがあった。

 大きさは、細身のレダよりも幅がある。高さは膝よりも上だ。


「宝石であれば、よかったのだがな」


 ノワールが唸った。

 ナオミも珍しく困ったような、戸惑ったような顔をしていた。


「おいおい、もしかしてこれは……」


 テックスは何かに気づいたように呻くような声を出した。

 ノワールとナオミが頷く。


「――これは魔石だ」

「――魔石なのだ!」


 レダは、目をこすって改めて赤い石を見た。

 そしてナオミたちに視線を向ける。


「これが、魔石?」


 うん、とふたりが頷く。


「こんな大きいサイズが魔石?」


 うん、うん、とさらに頷いた。


「テックスさん、どうするんですか、これ!? こんな大きな魔石なんて見たことはもちろん、聞いたこともないですよ!?」

「俺だってねえよ! なんだよ、これ! 国宝級だろ!」

「ですよね!? どうするんですか!?」

「知るか!」


 レダたちが混乱しているのは、魔石のせいだった。


 ――魔石とは、読んで字の如く、魔力を持つ石だ。


 魔力を持つモンスターや、魔力を宿す場所で稀に取れる魔力の石が魔石だ。

 魔石は希少なため高額で取引される。

 魔石は武器、武具、結界、貴族の屋敷の明かりなどに使われている。

 特に、魔石を使用した武器、武具は一流の冒険者でも手に入らない一品であり、金持ちの貴族などがコレクションにすることが多いという。

 魔石そのものをコレクションする魔術師もいると聞いたことがある。


 そして、魔石は小さい。

 モンスターから取れる魔石など小指の爪より小さいことが多いのだが、それでもしばらく生活に困らないくらいの、いいや、贅沢できるくらいの金がもらえる。


 小さな魔石を巡って、冒険者パーティーが金に目が眩んで殺し合いをすることだって珍しくない。

 魔石を持つモンスターを倒して一攫千金を狙って死亡する冒険者もいる。

 中には、魔石をいくつも得て冒険者家業をやめて第二の人生を歩む者もいる。


 小さな魔石でそれだけなのだ。



 ――小型モンスターくらいある魔石に一体どんな値がつくのか。



 レダは、災厄の獣よりも大きな問題を抱えた気がして、胃痛を覚えた。






 でっかい魔石ドロップです!

 ……ざっくりですが、一介の冒険者がこんなサイズの魔石を持って来たら、なんか怖い人が現れて口封じされて奪われるか、爵位と大金をもらって一生遊んで暮らしてもお釣りが来るレベルです。


 双葉社モンスターコミックス様より「おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ~中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる~」の最新10巻が発売いたしました!

 ぜひ応援していただけますと嬉しいです! 何卒よろしくお願いいたします!

挿絵(By みてみん)

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