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おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ 〜中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる〜  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
六章

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47「冒険者ギルド職員」





 往診を終えたレダたちが、診療所に戻ろうとしていると、冒険者ギルドの職員がこちらに向かって走ってくるのが見えた。

 冒険者ギルド職員とは、付き合いこそ短いが何度も顔を合わせている。

 治癒士と冒険者ギルドが不仲な場合が多いが、アムルスでは友好関係を築き協力関係である。


「……レダ先生」


 アメリアが緊張した声を出した。

 エンジーも声を出さずに動揺している。


「わかっているよ」


 レダも緊張気味に、職員に向かう。

 何度か冒険者ギルド職員に呼び出されたことがあるが、職員の女性の顔は今までとは違う。

 明らかに、まずいことが起きている。

 事情を聞いていないにも関わらず、そんなことを考えてしまう。

 レダは首を横に振った。

 決めつけはよくない。

 悪いことを考えるな、と。


「ジェイミーさん」

「レダさん! 大変です!」


 彼女の慌て具合と、大きな声に、レダは嫌な予感が当たってしまったことを確信した。


「落ち着いてください、ジェイミーさん。治癒師が必要なんですね? 事情は冒険者ギルドに向かいながら」

「は、はい」


 レダたちは小走りに冒険者ギルドに向かう。

 ここまで走ってきた冒険者ギルド職員――ジェイミーは息を切らしているが、気にかける余裕がなかった。


「どうしましたか?」

「フィナさんだけでは手が足りません!」

「……なにが起きているんですか?」


 冒険者ギルドで荒事を経験しているジェイミーがこれほど慌てているのは珍しい。

 レダは落ち着いてとはあえて言わず、知りたいことだけ尋ねる。


「――モンスターの群れがアムルスに向かっています」

「……どういう意味ですか?」


 午前中に、最近、モンスターが少なくなったと聞いたばかりだ。


「わかりません! ですが、今までいなかったモンスターが急に現れ、アムルスに向かっているんです!」

「……なんてことだ」


 モンスターの数が減ると災厄が起きるというジンクスがあるが、まさか本当に災厄が訪れるとは思いもしなかった。


「アメリア!」

「はい!」

「診療所に戻って応援を! 診療所を空にしてもいいから、とにかく冒険者ギルドに!」

「わかりました!」


 走っていくアメリアを見送り、レダたちは冒険者ギルドに急ぐ。

 診療所を訪れる七割の患者が冒険者だ。

 街の中でも怪我はするが、やはり冒険者ほど怪我をする職業はない。


 もともと診療所と冒険者ギルドは近い。

 ならば、診療所を空にしても大丈夫だと判断した。

 もちろん、冒険者ギルドに治癒師がいることは張り紙すべきだ。


「エンジー、君は俺と一緒に」

「わ、わかりました」

「君も戦力になってほしい。人見知りであることはわかっているけど、そんなこと言っていられないかもしれない!」

「……はい!」


 エンジーもここで泣き言を吐くことはしない。

 覚悟を決めた顔でレダと共に冒険者ギルドへ走った。





 イベント発生です。


 4月15日(月)に、コミカライズ8巻が発売となりました!

 ぜひお手に取っていただけますと幸いでございます。

 5月15日(水)に、コミカライズ9巻が発売となります!

 何卒よろしくお願いいたします!

挿絵(By みてみん)

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