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おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ 〜中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる〜  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
六章

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39「大きな挑戦」①






 レダたちは、冒険者ギルドから帰ってきたナオミとフィナを連れて、いつものレストランの席にいた。


「では、診療所を支えてくれたネクセンとドニーさんへの感謝と、若き治癒士のこれからに――乾杯!」

「乾杯!」


 ジョッキをかかげるレダたち。

 レストランというよりも酒場な雰囲気だが、アムルスはどこの店でも冒険者が出入りするのでこのような感じだった。

 実際、店員も他の客も気にしていない。


「……久しぶりのアムルスで飲むお酒は美味しいな」


 あまり量を飲まないようにちびちびビールを飲むレダは、ユーヴィンから無事に帰ってきたことに、改めてほっとしていた。

 ユーヴィンの人々や、ローゼスのことも気になるが、彼女たちを脅かす者はもういないので、心配ないと信じている。

 ルルウッドをはじめ、若き治癒士もいるし、回復ギルド長のアマンダもいる。

 一介の治癒士である自分が心配しすぎる必要はないと思い直した。


「なぁに、パパぁ。遠くを見ちゃって」


 左隣に座るルナが、レダの脇腹を肘で突いた。

 彼女はビールではなく、果実を絞った水を飲んでいる。


「あれ? ルナはお酒飲まないの?」

「うーん、最近ちょっとだるくて」

「まさか病気とか」

「大袈裟よ、パパぁ。慣れない環境にいたし、長時間の旅だったから少し疲れているだけよ」

「ならいいんだけど……もし続くようなら」

「わかってるって。お医者さまにかかるわぁ」

「約束だよ」

「はーい」


 心配するレダに対し、ルナは笑顔で返す。

 レダの治癒は目を見張るものがあり、病でも治せるものはある。

 だが、症状を見極めることはできず、医者が必要だ。

 また風邪などの症状も治すことはできない。

 治癒は万能ではないのだ。

 ゆえに、冒険者として人の命の儚さを知っているからレダは妻であるルナが心配だった。


「なんだ、ルナよ。体調を崩しているのか?」

「ママまで、平気だってばぁ」


 一緒に席に着くルナの母エルザは、口に入れていたステーキを飲み込むと娘を案ずるように見る。


「しかし」

「平気だからぁ! みんな過保護すぎだからぁ! 子供じゃないんだから、具合が悪かったら無理せず寝るし、お医者さまにだって通うわぁ」

「……わかった。信じよう。だが、無理をするなよ。いつでも母を頼ってくれ」

「頼りにしているわよぉ、ママ」

「うむ」


 エルザはこれから仕事なので酒は飲まない。

 決して、酒が弱いわけではなく、むしろ強いのだが、娼館の用心棒をしている彼女は酒が入ると「つい捕縛する相手を殺してしまう」と手加減ができなくなるので飲まないようにしている。


 エルザは健啖家だ。

 もともと貧しい食生活をしていたが、アムルスに来てから食事のおいしさを知り、たくさん食べる喜びを噛み締めているのだ。


「なんじゃ、ルナちゃんはどこが具合が悪いのかのう? わしが見てやろう」

「いやよ。おじいちゃん、目がスケベなんだからぁ」

「……申し訳ないんだが、わしはもうっとメリハリのある女子が好きでのう」

「いい度胸じゃない!」

「冗談じゃよ!」


 ドニーと軽口を叩き合っている姿を見て、ルナは大丈夫だろうとレダは肩の力を抜いた。

 そんなレダにドニーが声をかけた。


「レダ殿」

「はい」

「……実は、現在新たな魔術を開発しようとしているのだが、レダ殿に手伝ってもらうことはできるかのう?」

「俺にできることがあれば」


 新たな魔法の開発と聞き、好奇心と緊張が走る。

 新たな魔術を開発することは難しい。

 応用なら魔術師が誰でもすることだが、一から開発する技術は現代の魔術ではできないとされているのだ。


「あら、おじいちゃんったら、どんな魔術を開発するのぉ? 攻撃魔法?」

「治癒士のわしが攻撃などせんよ。わしが求めるのは男を苦しめる永遠の病――ハゲを治す魔術じゃ!」

「ぜひ協力させてください!」






 男の夢に挑戦です!


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 ぜひお読みいただけると嬉しいです! 何卒よろしくお願いいたします!

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