表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

460/618

29「弟子に関して」①





「おはようございま――レダ! 帰ってきたんだな! ヴァレリー様も、小娘もよく無事で帰ってきた!」


 新米治癒士たちに遅れること数分、この診療所を預かってくれていたネクセンが現れ、レダたちが無事に帰ってきたことをうっすら涙を浮かべて喜んでくれた。


「ユーヴィンではかなり大変だったようじゃないか。商人から話はちらほら聞いていたので、心配だったんだぞ。……レダに万が一などないとわかっていても、離れたアムルスにいると気が気ではなかったぞ」

「ありがとう、ネクセン。診療所もしっかり守ってくれて、本当にありがとう」

「ふ、ふん! 私は治癒士として当然のことをしただけだ! それに、これで、少しでもこの町に貢献できたのであれば、それでいいんだ」

「……ネクセン」


 ネクセンはかつて、この町で治癒士として開業していたが、他の治癒士と変わらぬ高額治療を基本としていた。

 これはネクセンが悪人というわけではなく、治癒士たちの大半が高額治療費を求めるため、「そういうもの」として受け入れ、当たり前と思っていたゆえのことだ。

 今では、当時のことを後悔し、今はアムルスのために治癒士として尽力している。

 無論、アムルスに住まう人たちは、最初こそネクセンに不信感はあったが、今ではレダに次ぐ信頼できる治癒士であると認めている。

 それでも、ネクセン自身が自分を許せないのだろう。まだ彼がレダと一緒に診療所を始めてから一年も経っていない。彼がいつか自分を許せる日が来ることを誰もが願っている。


「素直じゃない奴ねぇ」

「ふふ、それがネクセンの良いところですよ」


 つい一言多い、ネクセンにルナとヴァレリーが微笑む。

 ネクセンが顔を赤くすると、照れを隠す様にレダに尋ねた。


「ところで、彼らは?」

「話せば長いんだけど、回復ギルドのアマンダさんを覚えている?」

「もちろんだ。今は回復ギルド長アマンダ・ロウ。出世したものだな」

「ははは、そうだね。彼女がユーヴィンの治癒士不足に力を貸してくれることになってね、そのお礼と言うべきかなんというか、後進を育てることになってね」

「――待て! つまり弟子ということか!?」

「うん。そうなんだけど、まだ正式ではない……ネクセンはなんでプルプル震えてるの?」

「俺に勝手に弟子を取るとはな! 弟子ナンバーツーはこのネクセンだからな!」


 同僚だったはずのネクセンが弟子を名乗り始めたことに、レダはポカンとしてしまった。





 ナンバーワンはミナです!


 コミック最新7巻が発売中です! 最新刊も発売予定です!

 ぜひお読みいただけると嬉しいです! 何卒よろしくお願いいたします!

 双葉社がうがうモンスター様HP・アプリにてコミカライズ最新話もお読みいただけますので、よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ