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おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ 〜中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる〜  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
六章

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22「家族へ報告」





 その日の夜。

 レダのために用意された部屋に、家族が集まっていた。

 ノワールだけが、シェイプと共にいるためここにいない。

 最初こそ、「シェイプさんのことを紹介したいから」と言ったのだが、「無理です。失禁します。じょばーって」とシェイプが力説するので諦めた。

 無理強いしたところで、誰にとっても良い未来がないことを察したのだ。


「――と、いうわけで、一度、アムルスに戻ってから、診療所の方がなんとかなるようにして、王都へ行こうと思う」

「やったー! おでかけー!」


 レダが、シェイプのことと、ティーダと一緒に王都に行こうと考えていることを告げると、まずミナが手を上げて喜んだ。


(こ、こんなに喜ぶならもっと早くアムルス以外に連れて行ってあげればよかったかな)


 アムルスで暮らすようになって一年も満たないが、ミナは良い子で仕事も手伝ってくれていたし、勉強も頑張っていた。

 だが、思い返すと旅行などはしたことがなく、アムルスの外に出たとしてもエルフの里や、ここユーヴィンしかない。

 レダは、ミナがいい子であるがゆえに父親として甘えていたと反省する。


「王都かぁ」

「お姉ちゃん?」

「いやー、あんまり記憶にないわねー。ねえ、パパ……これって旅行ってことでいいのぉ?」

「もちろんだよ。ルナたちも、毎日診療所を手伝ってくれるし、王都に行く用事があるのも事実だけどちゃんと旅行として時間を取りたいと思っているよ」


 レダの言葉に、ミナ、ルナだけではなく、ヴァレリー、アストリット、ヒルデ、ナオミが喜んだ。


「わたくし、ここしばらく屋敷で伏せっていたので王都は久しぶりですわ」

「そうね。私もずっと怪我のせいで隔離されていたから城下町を散策したことなんてないに等しいんだけどね」

「うむ。いずれアムルス以外でも交流を持つことを考えると、私が代表して王都を散策するのも良い考えだな」

「美味しいご飯屋さんならいっぱい知っているのだ!」


(魔族と人間のことはティーダ様や陛下に丸投げでいいんだけど、王家の魔術に関してはきちんと陛下に聞かないといけないんだよな。それはそれとして、きちんと結婚の挨拶をご家族にもしなければいけないし、ローデンヴァルト伯爵が王都にいるようだから、ヴァレリーと結婚した身としては挨拶をしなくちゃいけない。やることがいっぱいあるな)


 現在、診療所を切り盛りしているネクセンとも相談しなければならないし、弟子となる予定の若き治癒士たちの力を借りる必要もある。

 すぐにすぐは無理かもしれないが、できるだけ早く王都に行きたいと考えた。


「ねえ、パパ」

「うん?」

「王都行きの旅行って、家族旅行でもあるけど……新婚旅行でもあるわねぇ」


 ルナの言葉に、ヴァレリー、アストリット、ヒルデの瞳が輝いた。


「レダ様、少しでいいのでふたりで街を散策する時間が欲しいのですが」

「あ、ずるいわよ、ヴァレリー。レダ、私も!」

「む。私も妻だからな、うん、きちんと時間を取ってもらおうか!」

「も、もちろんだとも」


 ぐいぐい押されたレダは、笑顔で返事をする。

 もちろん、ルナとの時間も忘れないし、愛娘ミナとの時間も忘れることはない。

 そして、


「ナオミも王都を楽しもうね」

「――うん!」


 家族であるナオミのことも忘れるはずがない。

 レダ一家は、眠くなるまで王都に思いを馳せて会話が盛り上がった。






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