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おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ 〜中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる〜  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
六章

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10「家族の時間」③





 街には活気があった。

 ユーヴィンを訪れた時にはなかった街の喧騒、行き交う人々の姿がある。


「うわぁ!」

「……この街の人たちって逞しいわねぇ」


 お店はもちろん、露店もあっちこっちに並んでいる。

 冒険者という最大の客がいなくなり、いても怪我を治せず死んだも同然だった。

 元冒険者ギルド長ベニーと、彼に従っていた冒険者たちの横行もあったので、商人は商売を止め、店を構えていた人々は店を閉じていた。


 しかし、領主の目が光り、元気になったことで精神的にも余裕を取り戻した冒険者が相手ならば、話が変わる。

 ユーヴィンの街は、レダたちの知らないかつての賑やかさを取り戻していた。


「やっぱりダンジョンを見つけたのは大きかったようだね。……王都の商人がもういるよ」

「すごいなぁ! すごいなぁ!」


 情報が早い商人たちに、レダはただただ唖然とする。

 ミナはアムルスでは見かけない商品や食べ物に目を輝かせている。


「とりあえず、なにか食べて飲もうか」

「うん!」

「賛成ぃ!」


 と、レダの提案に乗ったミナとルナだったが、食べ物ひとつとっても選択肢が多い。

 牛や豚の丸焼きや、食用可能なモンスターも並んでいる。

 飲み物に至っては「滋養強壮」と書かれているが、何が混ざっているのかわからない。

 ミナは好奇心いっぱいだが、レダとルナの顔は引き攣っている。


「――食堂に入ろうか」

「そうね」

「甘いものたべたい!」


 冒険者たちは問題なく口にしていたが、レダとルナは同じように口に入れる勇気がなかった。

 幸いなことにミナは甘いものを食べたがったので、意見が分かれずに済んだ。


「いらっしゃいま――ディクソン様! ようこそ、当店へ! さあ、お席に案内しますね! さあ、さあどうぞ!」

「あ、ありがとうございます」


 レダが食堂に入るとウエイトレスに満面の笑顔で出迎えられた。

 テーブルに案内される間に、居合わせた冒険者や商人、住民たち感謝の言葉をかけられる。

 紅茶とパンケーキを注文して、ふう、と大きく息をついた。


「パパったら人気者ね」

「お父さんすごいね!」

「……あははは、ありがとう。素直に嬉しいよ」


 冒険者に感謝され、商人に頭を下げられ、子供に手を振られたレダに、ルナとミナが嬉しそうに微笑んだ。

 自分の大切な家族がみんなに好かれているのを見て、嬉しく思わないわけがない。

 パンケーキが運ばれてくるまで、ルナとミナはずっとにこにこ笑顔だった。





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