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おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ 〜中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる〜  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
六章

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66「可愛い不満」





「ぶぅー」

「ミナったら何をふくれているのかしらぁ?」


 ルナはふくれっ面をしているミナの頬っぺたを突いた。


「膨れてないもん!」

「膨れているじゃなぃ」


 本人は否定しているが、誰がどう見ても膨れている。


「どうしちゃったの、ミナったら。さっきまでいい子だったのにぃ」

「……もん」

「え?」


 小さな声だったので聞き逃してしまったミナの呟きを聞き逃してしまい、ベッドの上で膨れている妹の隣りにルナが座る。


「どうしたの? もう一度言って?」

「お父さんの一番弟子はわたしだもん!」

「あら……そういうことだったのねぇ」


 ルナの姉心がきゅんきゅんした。

 いい子を貫いてきたミナが珍しく、自分が一番だと言う。

 姉にとってミナのこんな変化が嬉しくある。


「お父さんから治癒を教わったのもミナが最初だもん!」

「もうっ、ミナったらかーわーいーいー!」

「わぷっ、ちょっと、お姉ちゃん?」

「いいのいいの、もっと嫉妬なさい嫉妬なさい。ミナだって言いたいことは言っていいんだし、たまには文句言ったっていいのよ。大体アマンダのやつも、恩着せがましいのよねぇ。パパに借りがあるのはあんたの方なのに、弟子だかなんだかわからない奴を押し付けて。そこは、領主に押し付ければいいじゃない。パパったらお人好しなんだから……おえぇ」

「お姉ちゃん? 大丈夫? あと、私はそこまで思ってないからね?」


 ミナの話を聞いていたはずのルナが愚痴を言い出してしまったのだが、ミナはそこまで思っていないと否定する。

 ミナとしてはあくまでも、レダ・ディクソンの一番弟子はミナ・ディクソンであることをちゃんとしておきたいだけだ。

 大好きなレダのもとで治癒を習い、診療所も手伝ってきた自負のあるミナは、いくら大人たちとはいえ、一番弟子の座は譲れなかった。


「わたしのことはいいんだけど、お姉ちゃん大丈夫なの? ここ数日、なんかずっとおえおえ言ってる気がするよ?」

「そこまでおえおえ言っていないわ……あれ? 言っているわね」

「もしかしてどこか具合が悪いの?」

「いいえ、元気よ。ユーヴィンの水が合わないのかしら、あ、でも泥水でも余裕で啜れる私がいまさら水が違っただけでどうこうなるとはおもわないんだけどぉ」

「……お姉ちゃん、それは自慢にならないよぉ」

「あはははは、そうね。でも、本当に元気なのよ? だって、最近は食欲も増しているし、太らないように我慢はしているけどぉ」

「うーん。なんか変かなぁ?」


 膨れていた顔をもとに戻したミナは、姉の変化に首を傾げるのだ。

 レダに似て心優しいミナは、自分の抱いていた不満など消し去り、ただただ姉の心配をしたのだ。

 そして、翌朝。弟子の存在を知り、再び頬を膨らますこととなる。






 ミナちゃんだってほっぺを膨らますことはありますとも!


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 ぜひお読みいただけると嬉しいです! 何卒よろしくお願いいたします!

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― 新着の感想 ―
[一言] ルナさん、 もしかしておめでた?
[一言] ついにつわりが
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