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おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ 〜中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる〜  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
六章

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65「三人目は個性的」④






「じゃあ、こういうのはどうでしょうか。エンジーには、俺の元で働いてもらおうと思います」

「レダ? それはどういう意味かな? エンジーには申し訳ないが、弟子にするには少し問題があるように思える」


 苦言を漏らしてしまうティーダに、エンジーが泣きそうな顔をする。

 だが、彼もこうなることは予想していたようで、反論はなかった。


「いえ、弟子にすることはしません。ですが、この出会いを大事にしたいんです」


 アマンダが推薦してくれたエンジーが、化粧で性格を隠していたエンジーか、今のエンジーかわからない。だが、治癒士としての腕はあるのは間違いない。

 他の治癒士たちと共に、ユーヴィンの人々の治療を手伝ってくれていたのもまた事実だ。


「診療所で働くのはどうかな? 人と接するのが苦手なようだけど、治癒士は相手がいてこそだからさ。少しずつ、君が自分に自信を持てるようになる日まで、一緒に頑張っていこうよ」

「……ディクソン様」

「裏方の仕事だってたくさんあるんだ。洗濯や掃除、受付、薬師さんとお医者様との打ち合わせ、治療した人のその後を気にかけることだってしているんだ。そのひとつでも君が手伝ってくれると、俺は嬉しいよ」

「い、いいのでしょうか?」

「俺も人と触れ合うことはあまり得意じゃないよ。でも、アムルスの人たち、家族に支えられてこうして頑張っているんだ。エンジーにも同じように、頑張ってほしい。そして、君が今の君のままでみんなと向き合えるようになったのであれば、君が望むように弟子として迎えるよ。それでいいかな?」


 レダがティーダとエンジーの反応を伺った。


「……レダには勝てないな。エンジー、君にはまだお礼を言っていなかったね。ユーヴィンで君は多くの人を治療し、助けてくれた。領主として心からの感謝を」

「い、いえ、そんな、僕なんて」

「私も君が変われることを信じたい。すこしきついことを言ってしまったが、君がやる気があるのなら、レダのもとで働くことはいいことだと思う。君にとって、今、大きなチャンスが目の前にある、掴むか掴まないかは君次第だ」


 ティーダなりに、エンジーへ一歩進むように気遣いの言葉をかけた。

 エンジーは、今までと違い真っ直ぐにレダを見つめると、深く頭を下げた。


「レダ・ディクソン様、ティーダ・アムルス・ローディンヴァルト様、僕、頑張りたいです! よろしくお願いします!」


 はっきりとそう言ってくれたエンジーに、レダは椅子から立つと、彼に歩み寄って握手を求めた。

 エンジーが応じる。


「これから、よろしくね。一緒に、頑張っていこう」

「はい! お世話になります!」



 弟子として受け入れることはできなかったが、レダはエンジーと共に働くことを決めた。





 ――まさか、この場の誰もが、エンジーが後世に名を残す、偉大な十人の治癒士のひとりに大きく成長するとは思っていなかった。





 エンジーくんの頑張りに期待してください!


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