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おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ 〜中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる〜  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
六章

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34「レダとローゼス」②




「レダ、住民と冒険者たちの治療をありがとう。疲れただろう」

「いいえ、まだまだ大丈夫です。ただ、救えなかった方もいますので、それだけが残念です」


 疲れた顔をしたティーダが屋敷に戻ってくると、レダに労いの言葉をかけてくれた。


「レダは素晴らしい治癒士だが、全知全能の神ではない。救えない者がいることは仕方がないことだ。冷たい言い方になるが、割り切りも必要だ。なにより、レダは最善を尽くしたのだ。悪いのはすべて、彼らを利用したベニーにある」

「……はい。そのベニーはどうなりましたか?」

「捕縛し、拘束して監禁している。奴を守るつもりはないが、元気になった冒険者に復讐されても困る。奴は、正式に裁きを受けるべきだ。ベニーにとってそれが一番堪えることだろうからね」


 すでに冒険者の中にも「ベニーの野郎をぶっ殺す!」と息巻いている冒険者がいる。

 レダたちが止めると、彼らも怒りを収めてくれてはいるが、きっとベニー本人を見たら我慢も限界になるだろう。

 そういう意味では拘束して監禁しているのはいいことだ。


 ベニーに従っていた冒険者も捕縛済みのようだ。商人も一部逃げ出した者がいるようだが、逃げ出していない真っ当な商人たちの証言で悪事がわかっている。

 ベニーも万が一の場合に備えて帳簿や記録をしてあった。自分になにかあったときに利用しあった商人たちを巻き込むつもりだったのだろう。


「テックスが見張りをしてくれているので万が一はないだろう」

「そうですね。テックスなら、安心です」

「さて、これからのことだが」

「はい」

「ダンジョンの確認に行こうと思う」

「ここまできたら確かめないといけませんよね」

「ああ。ノワール殿は、特段所有権を主張しないでくださるので、私の領地のものとなってしまうのは心苦しいが、ダンジョンの存在で発生する恩恵はアムルスと、診療所に、そしてこの街を立て直すことに使うと約束しよう」

「信じています」

「ここだけの話、レダたちには私のポケットマネーからちゃんとボーナスを弾むので、いろいろ思うことはあるだろうが飲み込んでくれ」

「ははははは。ありがたく頂戴します。ダンジョンは魅力なんでしょうけど、俺からしたら危険な場所でしかありませんし、管理もできませんからね」


 ベニーはダンジョンを見つけ、自分で管理運営するつもりだったようだが、貴族でもなんでもないただの冒険者ギルドの長がなにができたのだろうか、と疑問だ。

 ティーダだって、領地の中で見つかったことから所有権はローデンヴァルト辺境伯のものになるのだろうが、運営には国をはじめ、様々な組織が関わってくるだろう。

 仮にベニーがダンジョンを見つけていたとしても、都合よくいい思いばかりできるはずもない。

 そもそもベニーは、辺境伯の領地を乗っ取ろうとしたのだ。それだけで重罪だ。


「ボンボ殿をはじめ、ダンジョンまで同行してくれる者は決まった。できれば、回復要員としてレダにもついてきてほしい。ユーリが同行したがっていたが、冒険者でもあるレダのほうがいいだろう」

「わかりました。ご一緒します。ただ、娘たちは絶対に連れて行きませんからね」

「もちろんだ。私も、それだけは避けてほしい。特にルナはついてくると言うだろうが、彼女の腕を知っていても何があるかわからない。レダにはたくさん助けられているのだ、君の家族に何かあったら申し訳ない」


 ただし、勇者であるナオミは同行するようだ。

 ノワールの廃棄した物が現在も稼働していたら、ボンボかナオミくらいでないと処理できないと言ったからだ。

 魔王を討伐したナオミの実力は疑っていないので、レダも心配はあるが反対はしなかった。


「出発は明日だ。今日は、もうゆっくりしてくれ」

「はい」

「冒険者と住民たちのために食事や酒を振る舞おうと思っている。レダも疲れていないのであれば、ぜひ参加してくれ」





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