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おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ 〜中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる〜  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
六章

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エピローグ「発展」





 レダの母親フィナ・ディクソンがアムルスの町に来てから、三日がたった。

 その間に、あっという間に住民たちに受け入れられてしまった。

 住民たちにとっては、みんなが世話になっているレダの母親なのだ。歓迎するに決まっている。

 しかも、その外見がミナと同じように幼く、しかも美少女なのだ。拒むはずがない。


 フィナは領主のティーダともすでに顔を合わせており、その際に、回復魔術をはじめいくつかの魔法を見せたそうだ。

 人間ならば、生涯を費やしても叶えることができるかわからない上級魔術をあくびしながら使うことのできる彼女の実力に、ティーダは乾いた笑いしか出てこなかったと言う。

 さらに、かつてレダに教えたように、威力は落ちるが簡略化した魔術を教えても構わないと告げると、ティーダは彼女の足元に平伏し「ようこそ、アムルスへ!」と叫んだそうだ。


 後日、話を聞いたレダは「気持ちはわかるけどね」と苦笑していた。

 レダ自身、あまり実感がなかったのだが、自分が使う攻撃魔術が簡略化した上級魔術であることに驚いたのは言うまでもない。

 聖女ディアンヌは、魔術の省略化に興味津々であり、弟子入りさせてほしいと願うほどだった。


 他にも冒険者の魔法使いの実力向上と、魔力が少なく魔法使いを名乗れない人たちでも使うことのできるいくつかの魔法を教えることをティーダと約束し、後日、冒険者ギルドを中心に授業をすると言っている。

 回復魔術面でも優れているフィナだが、「私は直すよりも壊す方が好きなのよねー」と物騒なことを言って、息子を困らせた。

 その気になれば、レダ以上の回復魔法で人々を癒すことができるが、それでは人間が成長できないから、と教えることはしても、手出しはしないらしい。


 そんなフィナだが、アムルスの発展に関しては力を貸してくれるそうだ。

 モンスターを駆除した場所から、近くにある湖の近くまで壁を広げる計画があったのだが、その壁を魔法ですべて作ってくれるという申し出だった。

 ティーダはフィナの申し出を喜んで受け入れ、平伏した。

 なぜ、と首を傾げるレダに、フィナは母親の顔をして笑った。


「だって、レダの子供たちが暮らす街でしょ? なら、守りは任せておきなさい!」


 人間たちを甘やかさないといいつ、愛する息子には甘いフィナだった。

 魔術に優れたフィナだったが、少々作業を面倒に思った彼女が、人手を欲して村から数人引き抜いてきてしまうのはまたの別のお話。


 こうして、アムルスの町と、住まう人々は、ダークエルフの存在で大きく発展していくこととなるのだった。





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