表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ 〜中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる〜  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
六章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

308/622

15「ディアンヌの過去」②




 レダが気になるのはひとつだけ。

 ディアンヌがロナンによって弄ばれた結果ミナが生まれた。

 しかし、なぜディアンヌではなく、ロナンがミナを引き取っていたのか、だ。


(聖女様がミナを引き取っていれば……と思わずにはいられないんだよな)


 とはいえ、ミナがピアーズ子爵家にいなければ、ルナと姉妹として出会うこともなかっただろう。

 そうなるとルナの心の支えがなくなっていた。

 なによりも自分とも出会わなかったはずだ。

 ミナと出会えたからこそ、今の生活があるのだと考えているレダではあるが、それでも娘の過去を思うともっとほかになにか選択肢がなかったのか、と思わずにはいられない。


「ミナが生まれる経緯はわかりました。ですが、なぜあなたが育てなかったのですか?」


 レダの疑問に、ディアンヌが眉間に皺を寄せた。


「――教会はわたくしの妊娠をよしとしませんでした」

「え?」

「当時のわたくしは十代半ばの小娘です。そんなわたくしが、結婚もしていない相手と子供を作ってしまった……大きな問題になりました。わたくしの立場が聖女であることも、悪かったのです」


 確かに、聖女が結婚もせず妊娠というのは醜聞になる可能性がある。


「ロナンに恋人が複数人いたことや、婚約者もいたことも問題となりました。そこで、ロナンに二度と関わらないことを条件に、わたくしはミナを出産したのです」


 もっとも、ディアンヌはもうロナンに関わるつもりなどなかったようだ。

 しかし、ロナン側はそうはいかなかったらしい。


「ロナンは、いえ、ピアーズ子爵家はミナを欲しました」

「なぜですか?」


 言い方が悪いが、遊んで捨てた相手の子供をほしがるような男ではないはずだ。


「聖女の子供が欲しかったようです。また教会との繋がりを求めていたようです。わたくしも全てを知っているわけではありません……申し訳ございません」

「いえ、そんな謝らないでください。しかし、ロナンはどうやってミナを?」

「教会には様々な境遇の人間がいます。わたくしのように力を授かった者から、食べることに困って教会の門を叩いた者、悪事を犯してしまい教会に閉じ込められている者も少なくありません」


 なんとなく話の先が読めた気がした。


「ロナンは、実家が貧乏ゆえにシスターになった少女に声をかけました。彼女には幼い兄弟がいたのです」

「それって」

「はい。ご想像の通りです。ロナンは言葉巧みにその少女に近づき、実家にお金を援助し、手籠にしました。ロナンに入れ込んでしまった少女は、彼の言うままに生まれたばかりのミナを攫ったのです」

「――っ。なんてこと」


 まさかそんな搦手を使ってまでミナを奪ったとは思わなかった。

 予想以上のクズだ、とレダは内心吐き捨てた。


「ロナンは、ピアーズ子爵家でミナを育てる、自分の子であるからその権利があると主張し、教育費を請求してきたのです」

「……恥を知らないのか?」

「無論、誘拐です。当初はミナを返すように訴えました。ですが、ロナンはわたくしに、言うことを聞かなければミナに危害を加えると脅してきたのです」





他作品も連載中です!

「いずれ最強に至る転生魔法使い 〜異世界に転生したけど剣の才能がないから家を追い出されてしまいました。でも魔法の才能と素晴らしい師匠に出会えたので魔法使いの頂点を目指すことにします〜」https://ncode.syosetu.com/n1154gq/


異世界転生チートものです。ぜひ読んでいただけると嬉しいです!

ブックマークよろしくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ロナンさま、何とか生き返らせ無いのかな。武装した関係者で囲み隊かも。
[一言] 忘れ去られたヘイトが甦るぅ~ スッキリしたいぃ~
[一言] 攫った子供の養育費って…身代金の間違いだろ。 レダ関係と違って本格的に出てくる前に亡くなった方ですが、貴族にとっての「悪い見本」として名を遺すことになりそう…。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ