↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おっさん底辺治癒士と愛娘の辺境ライフ 〜中年男が回復スキルに覚醒して、英雄へ成り上がる〜  作者: 飯田栄静@市村鉄之助
三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

108/710

2「穏やかな日常」②




 ミナたちがレダと和やかにあーんしている一方、ルナとヴァレリーは女同士の話で盛り上がっていた。


「わたくしにとって、レダ様はもちろん、ルナちゃんとミナちゃんも恩人ですもの。それに……ライバルでもありますものね」


 ヴァレリーの言葉に嘘偽りはない。

 思い出すだけで涙がこぼれそうな酷い火傷を治療してくれたのがレダならば、正気を取り戻してくれたのはルナたちだ。

 この恩はきっと生涯を費やしても返しきれないだろうと思っている。


 ――もちろん、ご恩とレダ様への想いは別問題ですけれどね。


「ですから、皆様と仲良くしたいというのは本当なのですよ?」

「ふーん。敵情視察をしたいってことね」

「その下心がないと言ったら嘘になりますが、レダ様と距離を縮めたいのなら、まずあなたたちと親しくならなければと思いましたの。あっ、もちろん、レダ様を抜きにしても皆様と仲良くしたいのは本心ですわ」

「ふんっ、こっちはお断りよ。どうして恋敵と仲良くしなきゃならないのよ!」


 ルナからしても、ヴァレリーは愛嬌と可愛らしさを持つ、羨ましくなる美人だ。

 レダに恋する少女たちの中で、彼と歳も近く、隣に並べば少し年下のかわいい彼女といった具合になる。

 自分ではせいぜい娘止まりなことくらいわかっている。


 一番の年長であるエルフのヒルデガルダは年齢こそ三百歳を超えているのかもしれないが、外見だけならミナとそう変わらない。

 つまり、最大の敵はヴァレリーだとルナは考えていた。


 ヴァレリーは優良物件だ。

 領主の妹で、貴族とはいえ性格もいい。

 これで美人なのだから、やってられないと思いたくなる。


 ただし、ヴァレリーからすればルナだって最大の敵である。

 毎日一緒にいることのできる娘ポジションにいながら、女として攻めていくのはずるい。

 真似ができない小悪魔めいた言動と、ときには甘えるような仕草が同性から見ても可愛らしい。

 家族というカテゴリーの中にいるため、レダが心を許しているのも羨ましい。


 外見だってそうだ。

 健康的な褐色の肌を露出させている姿は魅力的で眩しい。

 褐色の肌に、シルバーブロンドの長い髪が映えて見える。


 なによりも、毎晩一緒に寝ているときいた時には嫉妬してしまった。

 どうにかして一度でいいから代わってもらえないだろうかと何度も考えてしまう。


「いいえ、わたくしたちは仲良くしておくのが一番だと思いますわ」

「なんでよ?」

「おとうさん、わたしにもあーんして?」

「はいはい。あーん」

「あーん! んんっ、おいし!」

「あっ、ミナばかりずるいぞ! レダっ、私にもあーん、あーん」

「ヒルデまで……しょうがないな。あーん」

「――っ、これはいいな。美味しいパンケーキがより美味しくなったぞ!」


 ルナとヴァレリーの隣では、レダのパンケーキをねだるミナとヒルデガルダの姿があった。

 ふたりとも甘えて「あーん」してもらってご満悦の表情だ。

 そんなふたりを眺めてレダは頰を緩めている。


「レダ様のような魅力的な男性に、わたくしたち以外の女性が惹かれないとは限りません」

「なるほどねー。つまり、あんたはあたしと組んでパパに他の女を寄せ付けたくないのね?」

「いいえ、そうではありません。レダ様は素敵な方ですので女性から慕われるのは無理もありません。ですが、ふさわしくない方も出てくると思いますの」

「ふーん。パパの治癒士の腕を目当てとか、利用してやろうと考えている女を排除したいってことね」

「はい。……実は、兄にレダ様をほしいという別の領地からのお手紙が届くそうです」


 同じテーブルにいるレダに聞かれないよう、声を潜めたヴァレリーの言葉に、ルナが目を丸くした。


「え? もう?」


 驚く少女に領主の妹は頷く。


「ええ、どの町でも治癒士に診ていただくにはお金がかかりますが、レダ様のような例外はいないでしょう。噂になるのも無理はありません」

「どこから噂になったのかしらね」

「おそらくは商人の方々からでしょう」


 町を行き来する商人の商品のひとつが情報だ。

 商人の中には、レダの情報を売る人間もいるのだ。


「金のかからない治癒士は、そりゃ自分の領地に欲しいわよね。あわよくばお抱えにしちゃおうってことでしょ?」

「強引な引き抜きこそ今はありませんが、いつレダ様に接触するのかわかりません」


 この心配はヴァレリーだけではなく、兄のティーダも同様だった。

 冒険者ギルドだっておなじだ。

 このアムルスからレダがいなくなられてしまうと大変なことになるのは間違いなかった。





申し訳ございません。


本日も体調不良のため、ご感想へのお返事をお休みさせていただきます。


何卒よろしくお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 作者さまの体調 ゆっくりお休み下さいませ はやくよくなりますように!
[気になる点] 休載しても良いかと。 健康第一でお願いします!
[良い点] 三章 2「穏やかな日常」② 更新ありがとうございます。 [気になる点] ヴァレリーとルナの懸念は、違う形で近付いてましたねえ。 レダと会ったときに、レダが「えっ、誰だっけ?」と心底知ら…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。