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SHINNING HIGH   作者: ホーリン・ホーク
9/16

9.key necklace

 首都セントウォータースにあるドン・ハウル・スプンフルの屋敷。


 鉄仮面、鎧、兜そして刀、槍、銃器が立ち並ぶハウルの部屋。

 虎の毛皮の椅子に腰掛けるハウルの前に従者ディグリーが蛇の化身のように音もなく姿を現した。


 ディグリーは片膝をつき頭を垂れた。

 拳銃を磨きながらハウルはぶつぶつ呟く。


「……この十数年、奴はこの国を支配してきた。俺は奴を兄として敬い、神として奉ってきた。だが近頃歳のせいか物忘れが酷い。誰に支えられてここまで来たのか忘れちまったようだ。傲慢で猜疑心に溢れている。おそらく目も悪いのだろう……未来が見えなくなっている」

 ディグリーは動かない。黙って聞いている。

「モルテッドの件はご苦労だったディグリー。あの男はこの屋敷に侵入し、武器庫を調べていた。ついでにライサン、アルバータとその娘も殺してよかったのだぞ」

 ニヤリと笑うハウル。

「ディグリー、次の標的は誰だかわかるか? お前は俺の心を読めるはずだ。〝レプタイルズ〟……お前の能力は計り知れない」


 ディグリーはちらりと顔を上げ、また伏せた。

「ディグリーよ。お前がいるだけで俺は王になれる。最強の戦闘種族を操る俺は無敵だ」

 ハウルは首に掛けた鍵型のネックレスを露わにし、ディグリーに向けた。

 鍵に施された青い石が妖しげに光る。



 少し間を置いてハウルは続けた。

「ライトニング・スモウクスタックの考えている事など全てお見通しだ。奴はサンダース・ファミリーとグルだ。あれから七日経っても働きを見せない……どころか、行方をくらませている。奴が狙っているのは俺、そしてハーツの命よ。だがあの若造はリトル・ラムたちに任せておけばいい。お前の次の標的、それはマッド・マニッシュ。あの男だ」


 野望の臭気が漂った。

 ディグリーが僅かに眉をひそめたのをハウルは見逃さなかった。

「どういう懸念だ? 言ってみろ」

「……何故、マッド・マニッシュを?」

「あのスキンヘッドの白髭男はハーツの手下――ということは俺の敵。だからだ」


 ハウルは壁のハーツの肖像画に銃口を向けた。

「見てろ。この老いぼれは俺自身の手で葬ってやる」





挿絵(By みてみん)

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