表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
SHINNING HIGH   作者: ホーリン・ホーク
6/16

6.general hurts

 イーグリンズは美しい古都だった。

 しかし現在では軍事施設が立ち並び、ハーツ将軍の住む宮殿が栄華を誇っている。



 その日、ハーツ将軍は弟であるドン・ハウル・スプンフルを宮殿に呼び寄せた。

 彼ら兄弟はここ十年来、距離を置いてきた。


「ハウル。レイヴォンズで警官を殺したのはお前だな? 目撃者が大勢いる」

 大理石の広間、ハウル・スプンフルは中央のソファにドカッと座り、葉巻を咥えながら無愛想に答えた。


「ああ、そうだ。俺が殺った。駐車違反でどうたらこうたら……ムカついたから撃ち殺してやった。この国で俺の顔を知らん警官なんざクソくらえだ」

「……まったく」



 昔からそうだった。ハーツは弟ハウルの傍若無人振りに手を焼いていた。

 椅子から立ち、ハーツは歩み寄る。

「それを何故エルドランドマフィアのせいに?」

「気にくわんからさ。奴らはレイヴォンズの街に潜ってる。調べがついてんだ」


 ――兄貴も歳をとった……十数年の歳月でかつての威光はない。と、ハウルは目を細め、鋭く視線を投げた。


「……連中は大事な顧客だ、そう言いたいんだろ? 知ってるのか兄さん。ヤクの買い手ビフ・キューズはサンダース・ファミリーの一派だ」

 薄ら笑いで言う弟にハーツ将軍は険しい表情で詰め寄った。

「それがどうした」

 ハウルは一瞬固まったが、負けじと返した。

「兄貴よ。奴らと組むつもりか?」

「サンダースを一掃しろと、スモウクスタックに指示したらしいな」

「え?」

「ハウルよく聞け。軽はずみな行動をとるな。無益無意味な争いを起こすな。お前にはセントウォータースを任したがそれ以上は私が決める。将軍の私が神としてこの国を治めている。血を流し、戦いに明け暮れる武族の時代は終わったのだ。好きに暴れて何の策もなく私の邪魔をするんじゃない」



 ハウルは黙って聞いていた。

 沸々と煮えたぎる血を感じながら……。



挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ