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5.message
商業都市レイヴォンズには数人のエルドランドマフィアが土地の人間になりすまして潜伏していた。
その一人、ブラック・クロウは雑貨商として今日もトラックで仕入れに出た。
港の倉庫の端。キャップにダウンジャケット姿の老人が一人釣り糸を垂らしている。
ブラック・クロウは注意深く速度を落とし、ゆっくりとそこへトラックを停めた。が、老人は見ない。
ハンチング帽を被るクロウが横に立つと老人は煙草を揉み消し、口を開いた。
「モルテッドが殺られた」
「残念だ。友を失うのは耐え難い。我々の仲間も祈ってる。安らかなる眠りを」
十字を切る。クロウにとってモルテッドは海を越えた同朋、兄弟に等しかった。
海を眺めながら老人は言った。
「……かなり調べられてるぞ」と写真を見せる。
「よく撮られてるなあクロウ。それに警官殺しまで……」
「でっちあげだ。俺たちにはアリバイがある。殺ったのはハウル・スプンフルだぜ。得意のなすりつけだ」
「フフッ、それくらいわかってるよ」と老人は鼻で笑った。
「ライトニングさんは……ここへ?」
クロウの問いに老人――を装ったスタンは顔を向けた。
「いや。ここへは来ない」と言い、鋭い目で伝えた。
「《今こそ立ち上がる時だ》という伝言だ」




