4.distress
緊急の知らせを受け、ライトニングはニューウルヴズの自宅に戻った。
屋敷の広間にはモルテッドの遺体が置かれ、花が添えられていた。
気性の激しいスタンは怒りを抑えきれず、ライサンを責めた。
冷静なブロウがそれを制し、医師の検死報告を待った。
「猛毒。コブラの数十倍……いや、この数値は異常です」
「何だって?」
「肩の咬まれた痕、その上顎は人間の頭ほどある」
「バカな! 真っ昼間の遊園地にそんな」
「あるとしたら……〝レプタイルズ〟の仕業」
ライトニングはモルテッドの冷たい手を握り、長く祈った後、寝室に向かった。
ベッドには妻のアルバータが座り、コリーナの寝顔を見つめていた。
「アルバータ……つらい思いをさせたな」
「私は大丈夫。でもコリーナが怖がって。ようやく今寝ついたところよ」
「そうか。せっかく楽しみにしていた遊園地を……行けなくてすまなかった」
「いいの。でも今度は約束守って、あなたも一緒にね」
「わかった」
ライトニングは腕を組んで突っ立ったままだ。
「あなたこっちへ来て……ほら見てよコリーナの寝顔。本当可愛いんだから」
「ああ」
彼はベッドに腰を下ろす。しばらく見つめた後、呟くように言った。
「レイヴォンズへ行けと。あのスプンフルが」
アルバータは黙っていた。
ライトニングは彼女を抱きしめ、優しくキスをした。