あとがき
エリック・クラプトンの一九九二年アルバム〝UNPLUGGED〟は素晴らしかった。アコースティックギターの繊細な音色、前面に出されたヴォーカル、漂う哀愁、郷愁、静寂。代表曲であり有名なロック曲〝layla 愛しのレイラ〟は全く違うアレンジで、シブくより切なく歌われた。そして何よりアルバムの根底に流れているもの、クラプトンの音楽の原点それはブルースであると知った。
マディ・ウォータース、ハウリン・ウルフ、ロバート・ジョンソン……偉大なブルースマンたちへの畏敬の念は次の九四年アルバム〝FROM THE CRADLE〟で一層深く、明確で完璧なカヴァーで表現された。その中で僕が気に入ったのが十一曲めの〝motherless child〟だ。(調べてみるとオリジナルはバーベキュー・ボブの作品)その軽快なナンバーは骨太な曲群の中でどこか微笑ましく、異彩を放っている。
〝SHINNING HIGH(BLUES)〟……この物語のテーマ、根底にあるものは〝BLUES〟=憂い。苦しみ、悲しみ、憂鬱。主人公ライサンの最後の一言「ずっと寂しかった」に尽きる。
差別され、不当に扱われ、過酷な労働を強いられた者たちの中でBLUESは生まれたという。
啜り泣き、咽び泣き、呻き声、悲痛な叫びそれがBLUES。思うように上手く書けない! 描けない! その生みの苦しみもまたBLUES。
僕がものを書き始めたのもそもそもBLUES=憂いを癒やすためだった。
if the blues overtake me, gonna rock away from here.
〝もしブルースに追われたらロックして去るのさ!〟
〝motherless child〟の一節。
そう、もし憂いが押し寄せても、
それを作品にするのさ!
二〇一九年 四月十五日 ホーリン・ホーク




