12.crystal statue
ハウル・スプンフルの胸元で輝く鍵の石〝フリージン・ブルー〟。
それと同じ輝きを持つ特製の弾丸〝R-FB弾〟が今、ハウルのもとに届けられた。
それは武器商人リガル・ナピスからの試作品。
ハウルはナピスと共謀し、ハーツを将軍の座から引きずり落としクレイドルズ国を手に入れようと、新時代を築く夢想を抱いている。
護衛たちの間を抜け、立ち並ぶコレクションを眺めに行くハウル。
広大なその部屋には誰も入れない。ディグリー以外は。
ハウルは護衛二人を見張りに立たせると、用心深くドアを閉め、部屋に一人身を置いた。
西洋諸国中世の甲冑、東洋の鎧兜、凝った装飾の刀剣、拳銃、ライフル……巨大な羆や虎の剥製、クレイドルズ武族の装甲服…そして一番奥に、一体のクリスタル像が。
それはまるで氷の彫刻。青みがかった透明の流線型。
空を見上げ叫んでいる悲しい女性=ライラの像だ。
R-FB弾を詰め込んだ拳銃の銃口をその像の胸元にあてがい、ハウルはほくそ笑む。
――ライラよ。ライサンがお前とシグニの息子だということはわかっている。ハーツやサンダース・ファミリーは恐るるに足りん。俺にとってはレプタイルズの存在こそ脅威なのだ。このフリージン・ブルーを持つのは俺だけ。これさえあれば……そう、いずれはあのディグリーも始末せねば。
そこでハウルはハッとする。気づくと、背後にディグリーの姿があった。
「何だ? 驚かせやがって! ここへは呼んでから入れと」
「すみません。緊急事態です。ハーツ将軍がこちらに」
「何?」
ハウルはすぐさま拳銃を背中に隠した。




