2 モフリモフられ
馬になってジョグする事三十分。街道が少し開けた宿場町のような所に出た。スピードを緩めて、
「オルタレーション、シマリス!!」
俺はモフられ度ランキングの高いシマリスに変身。チョロチョロと宿場町へと入って行く。時折立ち上がってつぶらな瞳で周りを見回す可愛いしぐさを忘れない。宿場町をソロソロと歩いていると、
「あっ、リスだよ、お姉ちゃん!!すごく可愛い」
「ホントだ、可愛いね!こっちおいで〜」
スカートを履いた姉妹が俺の可愛いさに惹かれて寄ってくる。姉らしい方が座り込み俺に手を出してきた。下着丸見えだぞ。無警戒な女の子座り。役得だな。俺が姉の白いおパンツを間近で眺めていると両脇を掴まれ持ち上げられた。
さぁ、姉妹よ、思う存分モフるがいい!
姉に抱きしめられ、妹に揉みくちゃにされながら、俺は姉妹の柔肌を堪能した。
あぁ、感無量。そう、これが、これこそが俺の願望!まさに人生最大の至福の時だぁ〜!!
「きゃあ、可愛い!チュッ、チュッ」
「ホント、大人しくて人懐っこくて可愛いね〜」
頬擦り、キス、ハグ、撫で撫でとモフリのオンパレード。ロンダート、バク転、バク宙が流れるように決まったかのような気持ち良さ。
今は妹のお股の間に乗せられ、背中の毛並みを撫でてもらっているところだ。これがまた気持ちいい。背中がゾクゾクするわ、これ。
「お姉ちゃん、この子に名前つけてあげようよ」
「そうね、何がいいかなぁ?」
「私はチェロがいいなぁ」
「へぇ〜、ルナはチェロって名前がいいんだ。いいよ、これからチェロって呼ぼう」
「やったぁ、これから君の名前はチェロだよ、覚えてね☆」
妹の名前はルナというらしい。一杯モフモフしてくれるし、俺はとりあえずこの姉妹についていくことにした。その間にこの世界の事を色々と知ろうと思って。
宿場町でモフられているとどうやら出発の馬車が来たらしく、姉妹と父母の四人で馬車に乗っていく。
「グランデの街までは二日だ、道中までに一度夜営する。護衛はクラン、フランソワの華が付いてきてくれる。じゃあ出発するぞ」
馭者のおっさんがそう言って馬車を走らせ始めた。ルナの家族の他には数人の人が乗っているが、まぁ、その中にモフって欲しいやつは居ないから、俺は妹の膝の上だ。
「おや、ルナ、そのリスはどうしたんだい?」
「あのね、パパ、宿場町に居たんだけど、可愛いくて大人しいから連れてきちゃった」
「フフフッ、ルナの膝の上で気持ち良さそうに寝てるわね〜」
「でしょう、ママ、飼ってもいいでしょう??こんなに可愛いんだもの!」
「そうねぇ、パパに相談してみなさい」
「パパ、お願い、チェロ飼ってもいいでしょ☆」
「仕方ないなぁ、ルナにお願いされたら父さんは断れんぞ、ハハハッ。もう名前も付けてるんだもんな」
「やったぁ、ありがとう、パパ大好き、チュッ!」
興奮した妹がパパとやらにチューしたもんだから、俺は妹の膝の上から落ちた。痛ってぇ。俺が痛がっているのに気付いたのか、慌てて姉の方が抱き締めてくれる。俺はその手を離れて、慎ましやかな胸の谷間にスルリと入った。ここが一番暖かくて柔らかくて落ち着くのだ。
「あらあら、フフフッ」
ママさんはニヤニヤしているが、俺は気にしない。なんせ今の俺はシマリスだからな。
「チェロはエリーのそこが気に入ったみたいね」
ママの指摘に姉のエリーは、
「ちょっとこそばゆいんだけど、チェロが可愛いから」
「いいなぁ、お姉ちゃん」
ルナが少しむくれているが、後でまたそっちにも行くから今は眠らせてくれ。馬車に揺られ、エリーの谷間に挟まれながら俺は至福の時を過ごした。
どれほど眠っただろうか?あまりの寝心地の良さに爆睡していた俺は、馬車が止まっているのに気付いた。俺が寝ている間に、まさかこんな事態になっていようとは!?